キャリアコンサルタント試験学科【標準、2級1級対応】

《国家資格第17回》学科試験 過去問解説〔問題1~10〕

 
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(株)TADAJUKU代表。キャリアコンサルタント&心理カウンセラー。キャリコン試験対策全般、スーパービジョン、起業支援。著書4冊。奈良県出身、大阪府在住【好き】ブログ、読書、猫、散歩、カフェなど^^

問題1 難易度:易

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今後の人材開発政策の在り方に関する研究会報告書から初出題。資料を押さえていなくても、常識的に考えれば、選択肢3が×肢と判断できる。

1)設問のとおり。人生 100 年時代の到来による職業人生の長期化に向けた継続的な学びを推進するため、それぞれの労働者が在職中・離職中を問わず、時代のニーズに応じた自らのキャリアプランに即し、スキルアップやキャリアチェンジを図ること。
2)設問のとおり。中長期的な日本型雇用慣行の変化の可能性や、労働者が自らキャリアを選択していくプロセスが拡大することを視野に、労働者の職業能力の証明や評価のツールなど、労働市場インフラの更なる整備を進め、労働者一人ひとりが転職や再就職も含めた希望するライフスタイルの実現を図ること。
3)国が標準的なキャリアパスを示すのはおかしい。よって誤り。
4)設問のとおり。女性については、就業率のM字カーブは改善してきているが、就業率という量的側面だけではなく、育児や出産等により一旦離職した後に非正規雇用労働者となる場合や、離職せずに継続就業した場合であってもキャリアアップの機会が制約される傾向もあることから、雇用の質の面にも焦点を当てていくべきであること。

問題2 難易度:易

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キャリアコンサルティングの実態、効果および潜在的ニーズ(資料シリーズNo.191)からの出題。選択肢2以外は、明確に間違いを見つけやすいように配慮されている。

1)「職場の人間関係」が上位3つに入るとは考えられない。よって誤り。なお、相談内容上位3つは「転職」、「仕事内容」、「自分の職業の向き不向き」である。
2)設問のとおり。同じ相談内容について男女でどちらが多いかを検討した場合、統計的に有意に異なる結果がでたのは、男性の方が多かった相談内容として「定年後の就職、仕事」、女性の方が多かった相談内容として「結婚・出産・育児」、「残業や労働負荷」であった。
3)他の年代より、20代前半で「家族の介護」の相談が多いのは明らかにおかしい。よって誤り。なお、20代前半の相談内容としては、「学生時代の就職活動」、「仕事内容」、「自分の職業の向き不向き」が多い。
4)相談場所が「企業内」である場合に、他の相談場所(企業外)より「転職相談」が多いのは明らかにおかしい。よって誤り。

問題3 難易度:易

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プロティアン・キャリアを提唱するホールの「キャリアの定義」からの出題。絶対に落とせません。第14回問10とほぼ同じ。プロティアン・キャリアとは、従来の組織内のキャリアではなく、個人の心理的成功を目指すために、自己志向的に変幻自在に対応していくキャリアのこと。

1)設問のとおり。キャリアとは成功や失敗を意味するのではなく、「早い」昇進や「遅い」昇進を意味するものでもない。プロティアン・キャリアにおいて核となる価値観は「心理的成功、自由」。「昇進、権力、給与」は伝統的キャリアおいて核となる価値観である。
2)設問のとおり。キャリアは生涯を通じた経験・スキル・学習・転機・アイデンティティの変化の連続である。
3)設問のとおり。心理的成功とは、他者評価ではなく、自分自身で決めるもの。
4)主観的なキャリアと客観的なキャリア双方を考慮する必要がある。よって誤り。

問題4 難易度:難

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キャリアの意思決定論からの出題。独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)から出されている資料「職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査」からの出題。意思決定論といえば、ジェラットの意思決定モデルが有名だが、本問は市販参考書などであまり取り上げられない論点であり、正答は難しい。

1)設問のとおり。キャリア意思決定理論の研究には大きく分けて、意思決定のプロセスを重視するものと、意思決定のシステムを取り巻く外的要因を重視するものとの二つの立場がある。
2)設問のとおり。人は、職業を選択する際に様々な期待を持つ。意思決定理論では、人は利益を最大にし、損失を最小限にするように行動すると仮定する。ここでいう利益や損失は経済的なものとは限らない。なぜなら個人の価値観によってその内容と程度は異なるからである。
3)設問のとおり。意思決定理論では、人が職業を選択する場合、大方の人は非常に主観的に状況を判断して職業選択に至っていると考える。即ち個人の所有する情報は、その正確性や適時性と使い方の両面から意思決定の結果に影響を及ぼすのである。
4)仕事に対する期待や希望は個人と仕事の関わりの中で変わっていく。この中で「何が達成できると考えるか」が職業選択の鍵になる。よって誤り。

問題5 難易度:易

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バンデューラの自己効力感を高める方法からの出題。TADAJUKU公開模試からズバリ出題。選択肢1、4は馴染みの薄いものですが、積極的に選択肢3を〇肢と判断すること。

自己効力感を高める方法(自己効力感を獲得する経験=学習経験)は以次の4つ。
①成功体験:自分の力でやり遂げたという経験。遂行行動の達成。
②代理経験:自分と同じ能力レベルの人間が努力し成功しているのを見聞きする

③言語的説得:繰り返し褒められる、励まされる
④情動的喚起:心身ともに落ち着いて良好な状態
よって、選択肢3が正解。
1)ソーシャルサポート(他者から得られる有形・無形のサポート)の分類には大きく分けて、「情緒的サポート」「情報的サポート」「評価的サポート」「道具的サポート」がある。
2)スーパーは、キャリアを「役割(ライフスペース)」と「時間軸(ライフステージ(ライフスパン))」の2次元で捉える。
4)質的キャリア・アセスメント(社会構成主義キャリアカウンセリングで用いるインタビューやワークの総称)の例として、「職業カード・ソート」「ライフライン法」がある。

問題6 難易度:中

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精神分析的なキャリア理論を問う問題。ボーディンは初出題で難易度は高い。ただし、選択肢3は速攻で×肢と判断できるし、サビカスが精神分析的アプローチと関連性を見いだしにくいため、選択肢4も×肢と判断しやすい。よって、1/2で正解できる。

1)ボーディンらは、「複雑な成人の職業選択活動は、単純な幼児期とまったく同じ本能的な源泉を含んでいる」という仮説をたて、乳幼児期における欲求に向かうタイプが、青年期の職業選択行動と対応しているとした(木村著P28)。よって誤り。本設問では、「幼児期」となっているため厳密には選択肢1は間違いともいえるが、他の選択肢から〇肢と判断。
2)フロイトの提唱した人間行動を支配する2原則(快楽主義と現実主義)を適用して、職業選択はこの2つの原則を結びつけ、または妥協を図る行動領域であるとし、防衛規制の1つである「昇華」の概念を採用して職業選択行動を説明したのは、ブリルである。よって誤り。
3)設問内容の6つの分類はホランドである。よって誤り。ローは親の養育態度を「情緒型」「拒否型」「受容型」の3つに分類。
4)サビカスのキャリア構築インタビューのルーツは、アドラー心理学の考え方を取り入れて開発したキャリア・スタイル・インタビューの論文に至る。よって誤り。

問題7 難易度:易

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キャリア理論の横断問題。選択肢4「キャリア・アダプタビリティー」といえばサビカスと想像できれば、なんとなく×肢と判断できる。

1)設問のとおり。シュロスバーグといえば、「4Sシステム」(Situation、Self、Supports、Strategies)である。
2)設問のとおり。クランボルツの学習理論は、バンデューラの社会的学習理論を基礎におきながら、キャリア意思決定における社会的学習理論(SLTCDM:Social Learning Theory of Career Decision Making)として理論化された。
3)設問のとおり。ハンセンといえば「統合的人生設計」である。
4)「キャリア・アダプタビリティー」といえば、有名なのはサビカスである(実際にはスーパーも「キャリア・アダプタビリティー」について説明している)。よって誤り。なお、スーパーは、思春期におけるキャリア発達の中心的なプロセスが成熟であるとして、キャリア成熟の概念を見出した。キャリア成熟は「個々のライフ・ステージに相応しい発達課題について対処するためのレディネス」と定義した。

問題8 難易度:易

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アイビイのマイクロカウンセリング技法の1つである「積極技法(指示、論理的帰結、解釈、自己開示、助言、情報提供、説明、教示、フィードバック、要約)」からの出題。今回はピンポイントの出題でしたが、「マイクロ技法の階層表」をしっかり押さえておきましょう。

1)情報提供するときに、福祉や医療、法律に関することは、慎重ではあるべきだが、必ずリファーというのは言い過ぎである。よって誤り。
2)設問のとおり。「自己開示」とは、カウンセラーが自分の考えや経験などをクライエントに伝えることをいう。
3)「フィードバック」とは、カウンセラーあるいは第三者がクライエントをどう見ているかという資料を与えることである。クライエントに対してできるだけ非審判的で,具体的な事実にもとづき,クライエントの行動が他者からどう見えているかを示す。よって誤り。
4)「指示」とは、カウンセラーがクライエントにどのような行動をとってほしいかを明確に示すことである。設問内容は「論理的帰結」の説明である。よって誤り。

問題9 難易度:中

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カウンセリング理論や心理療法の名称と、その提唱者や関連する用語の正しい組み合わせを選ぶ問題。やや曖昧な選択肢も含まれるが、素直に解けば選択肢2を〇肢と判断できる。

1)森田療法とは、神経症患者を対象とした精神療法の一つ。森田(正馬)理論によれば、神経症はヒポコンドリー性基調(神経質な性格傾向)をもつ者が、何かの原因で自分の身体の不調や心理的変化に注意を集中することによって感覚が鋭敏化し、ますます不調感が増大してしまう。感情執着の悪循環が発生。これを精神交互作用といい、その病態を森田神経質とよぶ。本来的な「生への欲望」「あるがまま」の心の姿勢を回復することが目的。なお、浄土真宗は、吉本伊信の「身調べ」に関連性が高い。「身調べ」は、もともと浄土真宗の一派に伝わる精神修養法だった。吉本伊信はその方法から宗教色を排除して、広く誰にでもできるように簡便化を図った。よって誤り。
2)設問のとおり。できれば、「ベーシック・エンカウンター・グループ」として出題してほしかった。エンカウンター・グループとして有名なものに、國分康孝が創始した「構成的・エンカウンター・グループ」がある。
3)「意味への意志」は、フランクルの著作である。よって誤り。
4)「今、ここ」の気づきは、通常はパールズである。よって誤り。ただし、交流分析においても「今、ここ」の感覚は重視されるため、やや問題に不備を感じる。

問題10 難易度:難

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精神分析の用語に関する出題。馴染みのない言葉を問われているため、捨て問である。

1)設問のとおり。フロイトは局所論として、人の意識を①意識、②前意識、③無意識の領域に区分した。「前意識」とは、意図的にすぐに思い出せる領域のこと。努力によって意識化できる心の部分。
2)設問のとおり。「修正情動体験」とは、クライエントが幼児期に親との間で体験したことの影響を、今度はカウンセラーとクライエントとの関係の中で新たな形で体験し直すことによって、修正しようとするものである。
3)「カタルシス」とは、心の中にたまっていた言葉にならないもやもやした感情を、何かをきっかけに吐き出し、解放させること。さらに、それによって気分がすっきりし、不安や緊張などの症状がなくなることを「カタルシス効果」という。心の浄化作用とも呼ばれる。よって誤り。
4)設問のとおり。「取り入れ(摂取)」とは、自分の中に自分以外のものを取り入れて、心の安定をはかろうとすること。防衛機制の一つである。

問題1~10ネットで確認できる参考資料

 今後の人材開発政策の在り方に関する研究会報告書(資料CHECK優先度:中/ボリューム中)

キャリアコンサルティングの実態、効果および潜在的ニーズ(資料シリーズNo.191)(資料CHECK優先度:高/ボリューム多)

>>問題11~20へ

⇒⇒第17回解説目次ページはこちら

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