《国家資格第30回》学科試験 過去問解説〔問題1~10〕
問題1 難易度:難
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| × | × | × | 〇 |
1)2022年時点で約3,000万人の就業希望のない無業者がいるが、年齢にかかわらず総じて女性の方が多い。よって誤り。
2)59歳以下の女性では、「出産・育児・介護・看護・家事のため」が非就業理由の約4割で最も多い。よって誤り。
3)非求職理由で最も多いのは、59歳以下の男性は「病気・けが・高齢のため」、女性が「出産・育児・介護・看護のため」である。よって誤り。
4)設問のとおり。求職期間1年以上の者は男性約3割、女性約2割。一方で、1か月未満の短期求職者も男性約3割、女性約4割を占め、二極化がみられる。
問題2 難易度:易
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| × | 〇 | × | × |
1)キャリアコンサルティングを受けた労働者は全体で11.7%。正社員13.9%、非正社員6.3%である。よって誤り。
2)設問のとおり。キャリアに関する相談をする主な組織・機関は、「職場の上司・管理者」の割合が正社員72.5%、正社員以外67.1%と最も高い。
3)正社員、正社員以外ともに、「仕事に対する意識が高まった」が最も多い。よって誤り。
4)正社員では「将来のキャリアプラン」、非正社員では「仕事に対する適性・適職」が最も多い。設問の内容とは逆。よって誤り。
問題3 難易度:易
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| 〇 | 〇 | × | 〇 |
1)設問のとおり。労使双方が抱くキャリア観の変化や、心理面・行動面でのゆれ・ゆらぎを捉え、「働くことについての相談相手」として機能し、キャリア自律、キャリア実現の推進役を務めることが期待される。
2)設問のとおり。キャリアコンサルタントには、質の高いキャリアコンサルティングを通じて、キャリアプランの再設計、新たな学び・学び直しの動機付け等に繋がるような、適切な助言・指導を行う専門性の発揮が期待される。
3)企業内キャリア開発は企業と労働者の協働で進めるものであり、短期的ではなく連続的・長期的な視点が重要。よって誤り。
4)設問のとおり。キャリアコンサルタントは、労使双方から寄せられる期待と要請に応え、更なる専門性の深化や活動領域での活躍に繋げるべく、自律的・自走的な学びと実践を積む必要がある。
問題4 難易度:易
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| ○ | ○ | × | ○ |
1)設問のとおり。社会認知的キャリア理論(SCCT) では、学習経験が、人の認知に大きく影響すると考える。
2)設問のとおり。社会認知的キャリア理論においては、4つの情報源からの学習経験により、自己効力感を獲得することを重視している。
3)自我同一性(アイデンティティ)はエリクソンが提唱した発達課題である。よって誤り。
4)設問のとおり。結果予期(結果期待)は、「それを実行したらどうなるのか」という結果に対する主観的な予測のことである。
問題5 難易度:易
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| × | 〇 | × | × |
1)レジリエンス(回復力)、希望、効力感はいずれも5つの資質には含まれない。よって誤り。
2)設問のとおり。「持続性」は粘り強さ、「冒険心」はリスクテイキングと表現できる。
3)レジリエンスと効力感は、5つの資質には含まれない。よって誤り。
4)希望・効力感はいずれも5つの資質に含まれない。よって誤り。
問題6 難易度:中
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| × | × | × | ○ |
1)ホランドのRIASECの6タイプは「完全に独立したタイプ」ではなく、相互に関連性があり、理論的に見て内的関連性がある。よって誤り。
2)重要なキャリア選択を偶然の結果とするのはクランボルツの「計画された偶発性理論」の考え方と思わせるものであり、ホランド理論とは異なる。よって誤り。
3)職業興味検査は、6つのパーソナリティ・タイプ(RIASEC)と5つの行動傾向尺度がわかるパーソナリティ検査である。YG性格検査はホランドが開発に関わったわけではない。よって誤り。
4)設問のとおり。ホランドの理論は、環境と個人の相互作用(P-E理論)の枠組みを中心に据えている。
問題7 難易度:中
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| 〇 | × | × | × |
1)設問のとおり。チクセントミハイの「フロー」とは、時間を忘れるほど活動に没頭し、楽しさや充実感を伴う内発的動機づけの状態を指す。
2)マズローは、5層からなる欲求階層説を提唱し、第1層の「生理的欲求」から第4層の「自尊と承認の欲求」を欠乏欲求とし、第5層の「自己実現の欲求」を成長欲求と位置づけた。よって誤り。
3)ハーズバーグの2要因説では、衛生要因(会社の政策・経営、給与や上司との対人関係)は、充分に満たされれば不満を予防するが、満足はもたらさず仕事への積極性を高めることもできないとした。よって誤り。
4)ショーフェリが提唱したのは仕事に関するポジティブで充実した状態を表す「ワーク・エンゲージメント」であり、「ジョブ・クラフティング」は、レズネスキーとダットンによって提唱された。ちなみにジョブ・クラフティングは、主体的に自らの仕事の捉え方や意味づけを見直し、充実感や満足感の得られる仕事への取組をつくり出すことである。よって誤り。
問題8 難易度:易
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| 〇 | × | × | × |
1)設問のとおり。リビドーは、フロイトが提唱した人間の行動を動機づける心的エネルギーであり、広義には性的エネルギーを意味する。
2)「自己一致」は、ロジャーズの来談者中心療法における基本的態度の一つであり、他に「無条件の肯定的関心」「共感的理解」がある。バーンは交流分析を開発した人物。よって誤り。
3)エリスは、非論理的な信念(イラショナル・ビリーフ)に焦点を当てる論理療法(REBT)を提唱した。一方、ゲシュタルト療法はパールズによるもので、「今ここ」での気づきを重視する。よって誤り。
4)パールズはゲシュタルト療法を創始した人物であり、無意識に焦点を当てる精神分析とは異なる。よって誤り。
問題9 難易度:中
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| 〇 | 〇 | 〇 | × |
1)設問のとおり。行動療法の基本的な考え方は、学習によって問題行動は改善できるというもの。
2)設問のとおり。パブロフの犬の実験で示された「ベルと餌」の組み合わせにより、音だけで唾液分泌が起こるようになる現象はレスポンデント(古典的)条件づけである。
3)設問のとおり。スキナーの実験で知られるオペラント条件づけの内容として適切である。
4)観察学習(モデリング)は、他者の行動とその結果(報酬・罰)を観察して学ぶプロセスであり、バンデューラが提唱した。報酬だけでなく罰からも学習する。よって誤り。
問題10 難易度:易
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| × | × | 〇 | × |
マイジョブ・カード
1)設問のとおり。ジョブ・カードは、厚生労働省が様式を定め、「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」の機能を担うツールとして広く普及を進めている。
2)設問のとおり。ジョブ・カードは、キャリアコンサルティングなどの相談支援の場面でも用いられ、学生、在職者、求職者など幅広い方の求職活動やキャリア形成にジョブ・カードが役立つ。
3)ジョブ・カードは、学生、在職者、求職者が対象である。よって誤り。
4)設問のとおり。キャリア・プランシートには、将来取り組みたい仕事や希望する働き方などを記入する。