《国家資格第27回》学科試験 過去問解説〔問題31~40〕
問題31 難易度:易
1 | 2 | 3 | 4 |
× | 〇 | 〇 | 〇 |
1)労働安全衛生法の規定により、労働者が「50人以上」いる事業所では、毎年1回、この検査を全ての労働者に対して実施することが義務付けられている。よって誤り。
2)設問のとおり。
3)設問のとおり。
4)設問のとおり。
問題32 難易度:中
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
ナンシー・アーサーの多文化キャリアカウンセリングは、クライアントの文化的背景を尊重し、それをキャリア支援に統合するアプローチである。従来のキャリア理論が西洋文化中心であることを批判し、多文化社会での適用性を高めるための視点を提供する。カウンセラーは、自らの文化的バイアスや無意識の偏見を認識し、それがクライアントに与える影響を慎重に考慮する必要がある。クライアントの価値観や信念を尊重し、彼らが置かれている社会的・経済的文脈も含めて支援を行う。特に移民やマイノリティが直面する社会的障壁や不平等を理解し、それを克服するプロセスを共に探る。このアプローチは、クライアントの文化的アイデンティティを資源と見なし、キャリア構築に活かすことを重視する。単にバイアスを排除するだけでなく、文化的多様性を力に変える支援を目指す。
1)クライエントではなく、カウンセラーの中にある「バイアス」である。よって誤り。
2)設問のとおり。
3)カウンセラーは、自らの文化的バイアスや無意識の偏見を認識する。よって誤り。
4)クライエントの内にある「バイアス」を意識するかしないかは関係ない。よって誤り。
問題33 難易度:易
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | ○ | ○ |
1)「ひきこもり」という用語は病名ではない。ひきこもりは、主に社会的な状況や行動パターンを指す言葉であり、特定の医学的診断名には該当しない。一般的には、6か月以上にわたり家庭に留まり、学校や職場などの社会的な場に参加せず、人との交流を極端に避ける状態を指す。これは精神的な疾患(例えば、うつ病や不安障害、自閉スペクトラム症など)の症状として現れる場合もありますが、それ自体が独立した診断名ではなく、あくまで社会的孤立の状態を示す用語である。そのため、ひきこもりの背景にはさまざまな要因が考えられ、精神的な疾患、家庭環境、社会的プレッシャーなどが複雑に絡み合っていることが多い。よって誤り。
2)設問のとおり。
3)設問のとおり。
4)設問のとおり。
問題34 難易度:易
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | ○ | ○ |
1)「~について話してくれませんか」は、一般的には開かれた質問とされている。この質問は、相手が自由に考えや感じたことを述べる余地を与えるため、特定の答えに誘導することなく、幅広い情報を引き出すことが可能である。たとえば、「最近の仕事について話してくれませんか」と尋ねる場合、相手は仕事内容や感じたこと、課題など、自分が伝えたいと思うことを自由に選んで話すことができる。よって誤り。
2)設問のとおり。
3)設問のとおり。
4)設問のとおり。
問題35 難易度:易
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
1)設問のとおり。
2)設問のとおり。
3)設問のとおり。
4)マイクロカウンセリングにおける自己開示は、クライアントの利益を最優先に考えるべき。カウンセラー(CC)の恥ずかしい体験や道徳的に疑問のある内容は、CLに混乱や不信感を与える可能性があるため、原則として開示しない方がよい。自己開示はCLの信頼感や気づきを促す場合にのみ行われるべきで、CC自身の自己表現や満足のためではない。開示内容がCLの課題や状況に直接関連し、成長や安心感をもたらす場合に限定して行うのが適切である。必要性や効果を慎重に判断し、適切なタイミングと方法で開示することが重要。よって誤り。
問題36 難易度:易
1 | 2 | 3 | 4 |
〇 | 〇 | 〇 | × |
1)設問のとおり。ベーシック・エンカウンター・グループは、1940年代にカール・ロジャーズが創始し、1960年代に大きく発展したグループセラピーの手法である。このグループは、数人から10人程度の小集団で構成され、グループセッションを通じて参加者が自由に感情や考えを共有することで、自己理解や対人関係の向上を目指す。セッションは特定の課題や指示に基づくものではなく、参加者間の自発的で率直なコミュニケーションが主体である。こうした集中的なグループ体験を通じて、個人が自己を探求し、他者との深い交流を体験することがこの方法の特徴。1960年代には、人間性心理学の隆盛とともに、個人の成長と潜在能力の開発を支援する手法として幅広く採用された。
2)設問のとおり。
3)設問のとおり。
4)ベーシック・エンカウンター・グループでは、フリートークが主体であり、参加者が自発的に感じたことや考えたことを自由に共有することが重視される。そのため、計画された課題(エクササイズ)に取り組むことは標準的な方法ではない。このグループの目的は、参加者同士が自由で率直なコミュニケーションを通じて自己理解を深め、他者との関係性を探ることである。計画的なエクササイズが含まれる場合もありますが、それはあくまで補助的な役割を果たすものであり、グループ全体の自然な流れや参加者の自主性が優先される。自由でオープンな対話を通じた自己探求が目的である。よって誤り。
問題37 難易度:易
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | 〇 | × |
1)学歴や免許・資格については、基本的に「履歴書」に記入してアピールする。履歴書は応募者の基本情報を伝えるための書類であり、学歴や資格はその人の背景や専門性を示す重要な要素となる。一方で、職務経歴書はこれまでの職務経験や実績を詳細に記載するものであり、特定の資格や免許が職務内容に直接関連する場合には、その活用実績や具体的な成果を補足的に記載することが効果的である。よって誤り。
2)職務経歴書において、趣味や特技に特化して記載することは、通常は適切ではない。職務経歴書は、これまでの職務経験やスキル、実績を記載し、応募する仕事への適性や貢献可能性をアピールするための文書である。そのため、趣味や特技に特化した記載は、職務経歴書の目的から逸れてしまう可能性がある。よって誤り。
3)設問のとおり。
4)職務経歴書の様式は、通常、応募者自身が自由に作成するものであり、応募先企業によって決められている場合は少ない。職務経歴書は、これまでの職務経験やスキル、実績を応募先に伝えるための重要な文書であり、応募者が自分の経歴を効果的にアピールするために工夫して作成する。よって誤り。
問題38 難易度:易
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | ○ | ○ |
1)傾聴を通してクライエントとの間に温かい人間関係を築くことは、カウンセリングにおいて重要なプロセスですが、それ自体が最終的な目的ではない。温かい人間関係を築くことは、クライエントが安心して自己を開示し、自己理解を深めるための基盤を作る役割を果たす。カウンセリングの目的は、クライエントが自身の課題や感情に向き合い、自己理解を深め、主体的に解決策や進むべき方向を見つけられるよう支援することである。そのため、傾聴によって信頼関係を構築することは非常に重要な手段であり、温かい人間関係はその過程で生まれる大切な要素といえますが、それだけにとどまらず、クライエントの成長や問題解決を促すことがカウンセリングの本質的な目標となる。よって誤り。
2)設問のとおり。
3)設問のとおり。
4)設問のとおり。
問題39 難易度:易
1 | 2 | 3 | 4 |
× | 〇 | × | × |
1)信頼関係は相互で必要。一方からのみではない。よって誤り。
2)設問のとおり。
3)信頼関係があってこそCLは自己開示できる。よって誤り。
4)CLの行動や姿勢に問題があると感じても、即座に指摘するのは通常適切ではない。指摘はCLの防衛的な反応を招き、信頼関係を損なう可能性があるため、慎重な対応が求められる。問題を共有する際は、柔らかな言葉で状況を伝え、CLが自ら気づき、改善するプロセスを支援することが重要である。ただし、CL自身や他者に危険が及ぶ場合は、適切なタイミングで指摘が必要になることもある。基本的には、CLのペースを尊重し、気づきを促すアプローチが適切である。よって誤り。
問題40 難易度:易
1 | 2 | 3 | 4 |
〇 | × | × | × |
心理テストの信頼性とは、テストが測定しようとしている特性をどれだけ一貫して正確に測定できるかを示す指標である。テストの難易度の高低とは直接関係がありませんが、尺度の項目数が多いほど、一般的に信頼性が向上する。また、テスト結果に含まれる誤差の割合が高い場合、信頼性は低くなる。信頼性が高いテストは、測定誤差が少なく、結果が安定していることを意味する。そのため、適切な項目数や構成でテストを設計することが重要である。
1)設問のとおり。
2)テストの難易度の高低とは直接関係はない。よって誤り。
3)尺度の項目数が多いほど、一般的に信頼性が向上する。よって誤り。
4)信頼性が高いテストは、測定誤差が少なく、結果が安定していることを意味する。よって誤り。