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〔キャリアコンサルタント学科対策〕心の健康問題により休業した労働者への支援

 
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今回は、前回書いた記事の「メンタルヘルス対策における職場復帰支援について」についての補足的な説明を。

職場復帰の支援では、職場復帰そのものがゴールではなく、職場復帰後の管理監督者による観察や支援、事業場内産業保健スタッフ等のフォローアップ、さらには適宜、職場復帰支援プランの評価や見直しなどが大切になります。

さらに「職場復帰支援に関して検討・留意すべきこと」、また「職場復帰後に就業上配慮すること」などは、キャリアコンサルタント学科試験でも論点に。

これらのポイントはキャリアコンサルタントとして知識を持っておきたい内容でもありますのでご紹介していきますね。

〔キャリアコンサルタント学科対策〕心の健康問題により休業した労働者への支援

ではまずは、問題からスタートします!

今の実力はどんな感じか?を確認しましょう。(解答は記事の最後に)

問題1 試し出勤制度の「試し出勤」とは、職場復帰の判断等を目的として本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤することである。

問題2 職場復帰は元の職場に復帰させるよりも、新たな職場に配置転換や異動をさせたほうが良い。

問題3 職場復帰後の労働負荷は、段階的に元へ戻すことはせずに復帰前の状態に早く戻れるように配慮するべきである。

いかがでしたか?

では解説を進めていきます。

自信がなかった問題など、意識しながら読み進めてくださいね。

職場復帰支援に関して検討・留意すべき事項について

職場復帰支援では、

  • 主治医との連携

は大切です。

当該労働者へは事前に「主治医との連携」についての説明と同意を得ておきます。

試し出勤制度

社内制度として、正式な職場復帰決定前に「試し出勤制度」を設けておくと、早い段階で職場復帰の試みをスタートすることができます。

  • 労働者の不安を和らげる
  • 労働者自身が職場の状況を確認できる

このようなメリットがあり復帰する前に、準備を行うことができますね。

試し出勤制度の例

では、具体的な「試し出勤制度」について例を挙げてみましょう。

模擬出勤:勤務時間と同じ時間帯に、模擬的な軽作業を行う、図書館などで時間を過ごす。

通勤訓練:自宅から職場近くまでの通勤経路を実際に移動してみる。職場周辺で一定の時間を過ごした後、帰宅。

試し出勤:本来の職場などに試験的に一定期間続けて出勤する。職場復帰の判断などを目的とする。

この「試し出勤制度」はぜひ導入するとイイなと思います。

例えば、通勤そのものは(電車やバスに乗ること)、長く休んでいると慣れるのに時間が必要かもしれません。

満員電車って普通に疲れますし、「通勤訓練」で実際に移動して感覚を思い出せれば。

また「試し出勤」で復帰する職場に出勤することは、復帰イメージが掴めます。

本人にとって不安に思うことの軽減に繋がるかなと。

このように、「試し出勤制度」が社内制度としてあれば、スムーズな職場復帰が期待できますね。

職場復帰後の就業上の配慮について

では、職場復帰後に就業上、配慮することはどんなことがあるでしょうか。

まず職場復帰は、

  • 原則、元の慣れた職場へ復帰させること

になります。例外的に、発症した誘因が異動等の場合は、配置転換や異動も。

また、復帰後は、

  • 労働負荷を軽減
  • 段階的に元に戻す

などの配慮を。

【就業上の配慮の例】

  • 短時間勤務
  • 軽作業や定型業務への従事
  • 残業・深夜業務の禁止
  • 出張制限
  • 交代勤務制限
  • 危険作業、運転業務、高所作業、窓口業務、苦情処理業務などの制限
  • フレックスタイム制度の制限または適用
  • 転勤についての配慮

など

<引用:改定 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きP7

復帰後すぐにフルパワーで働くことは難しいでしょうから、時短や残業・深夜業の禁止はうなづけますね。

出勤するだけでも、相当疲れるのではないかと思います。

また、心身共に負荷がかかる出張や交代勤務、その他危険な作業なども制限しておきたい仕事内容です。

 

尚、職場復帰支援については「〔キャリアコンサルタント学科対策〕メンタルヘルス対策における職場復帰支援について」で書いた記事内容と合わせて、学習を進めてくださいね。

▼「メンタルヘルス対策における職場復帰支援について」はこちらから▼

平成29年労働安全衛生調査より

毎年実施されている「労働安全衛生調査」では、労働者の仕事や職業生活での不安やストレスなどについての調査結果が確認できます。

労働者調査では、現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は約6割の 58.3%。

<引用:平成29年労働安全衛生調査P23>

また、強いストレスの内容(主なもの3つ以内)は、次のとおり。

「仕事の質・量」が前年に比べ8.8ポイント増加し、強いストレスの内容として6割を超えた結果になっています。

  1. 「仕事の質・量」 62.6%(H28年調査: 53.8%)
  2. 「仕事の失敗、責任の発生等」34.8%(H28年調査: 38.5%)
  3. 「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」 30.6%(H28年調査:30.5%)

まとめ

キャリアコンサルタント学科試験対策として、職場復帰の支援として押さえておきたいポイントをお伝えしました。

本文の中では触れていませんが、労働者の健康情報などは機微情報でありプライバシー保護の観点からメンタルヘルスは特に慎重に扱うべき内容になります。

情報の収集は必要最低限にすること、収集する場合は事前に労働者の同意を得ることはもちろん、情報漏洩防止措置は厳重に取り扱うこととされています。

▼メンタルヘルス関連の記事はこちらから▼

 

最後に、スタート問題の解答です。

問題1 〇設問のとおり。試し出勤制度の「試し出勤」とは、職場復帰の判断等を目的として本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤することである。

問題2 × 職場復帰は原則 元の職場に復帰させること。ただし、異動などを誘因として発症した場合などは、配置転換や異動をした方が良いケースもあるので留意すること。

問題3 × 職場復帰後の労働負荷は、段階的に元へ戻すなどの配慮が重要です。復帰前の状態に早く戻れるように配慮するべきである、は誤り。

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