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〔キャリコン学科対策〕「男女雇用機会均等法」の母性健康管理の措置等について

 
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キャリアコンサルタント学科対策では法律関係の出題もあり、こういうところからも出題範囲が広いと言われるのかと思います。

法律にもよりますが100条以上のものも存在し、やはり過去問を中心に取組むのが1番効率的で早道になります。

「労働基準法」では妊産婦の就業制限や産前産後の休業などについて定めていますが、「男女雇用機会均等法」でも妊産婦に関わる項目があります。

今回は、妊娠中、出産後の女性労働者に関しての事業主の義務について「男女雇用機会均等法」を取り上げてみたいと思います。

〔キャリコン学科対策〕「男女雇用機会均等法」の母性健康管理の措置等について

キャリアコンサルタント学科対策として、「男女雇用機会均等法」において妊娠中及び出産後の女性労働者へ、事業主はどのような義務を負っているのでしょうか。

妊娠中、出産後の女性労働者についての項目は、次の3つをまずは。

  • 婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等(第9条)
  • 妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置(第11条の2 )
  • 妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置(母性健康管理措置)(第12条、第13条)

では、具体的に紹介していきますね。

婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等(第9条)

事業主の義務として、

事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。(第9条)

妊娠や、出産、産休取得などを理由にして解雇やその他不利益な取り扱いをしてはならない。(第9条3)

と規定されています。

妊娠・出産、産休取得などを理由とする不利益取扱いの具体的な例は、

  • 解雇する
  • 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしない
  • 降格させること  など

妊娠中・出産後1年を経過しない解雇は無効

また同9条4には、

 妊娠中・出産後1年を経過しない女性労働者を解雇した場合は、事業主が、妊娠等が理由でないことを証明しない限り無効。

<第9条4>

妊娠中または出産後1年を経過しない女性労働者を解雇した場合は無効になるというもの。

解雇理由を事業主が妊娠、出産ではないと証明すればこの限りではありません。

職場における妊娠・出産等に関するハラスメント対策(第11条の2 )

次は、比較的最近(平成29年1月1日より)事業主に講じることが義務付けされたものです。

第9条の妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止とは別に、

  • 「職場における妊娠・出産等に関するハラスメント防止」のために、管理上必要な措置を事業主に義務づけています。

<男女雇用機会均等法第 11 条の2(抄)>
事業主は、職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものに関する言動により当該女性労働者の就業環境が害されることのないよう、当該女性労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

<引用:職場におけるセクシュアルハラスメント対策や妊娠 ・ 出産 ・ 育児休業 ・ 介護休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です>

この場合の職場における妊娠・出産に関するハラスメントとは、「職場」にて上司・同僚から受ける妊娠・出産したことに対する言動で、妊娠・出産した「女性労働者」の就業環境が害されること。

これについて防止対策を講じることが事業主に義務づけられ、雇用管理上の問題と捉えて適切な対応をとることが必要になりました。

⇒ 職場におけるセクシュアルハラスメント対策や妊娠 ・ 出産 ・ 育児休業 ・ 介護休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です P5

妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置(第12条、第13条)

女性労働者の母性健康管理のために事業主の義務として、

  • 妊産婦が健康診査等を受けるための必要な時間を確保することができるようにしなければならない(第12条)
  • 妊娠中および出産後の女性労働者が、健康診査等を受け、医師等から受けた指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等の必要な措置を講じなければならない(第13条)

もあります。

妊娠・出産後も働き続ける女性労働者は、本当に多くなったなと思います。

働きながら出産することは大変なことですね。

安心して出産できる環境や条件を整えるために、妊娠中及び出産後の女性労働者の母性健康管理について義務化したものになります。

男女雇用機会均等法(妊娠中、出産後)のまとめ

では最後にポイントを。

  • 婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いは禁止されている。(第9条)
  • 事業主は「職場における妊娠・出産に関するハラスメント」の防止対策を講じることを義務付けされている。(雇用管理上の問題と捉えて適切な対応をとることが必要)(第11条2)
  • 母性健康管理のために事業主の義務として、健康指導または健康診査を受けるための時間確保や、医師から受けた指導事項を守れるようにするための措置を実施する。(第12条、第13条)

参考になる資料はこちら。

⇒ 職場におけるセクシュアルハラスメント対策や妊娠 ・ 出産 ・ 育児休業 ・ 介護休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です P5

⇒ 働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について

⇒ 男女雇用機会均等法のあらまし

⇒ 男女雇用機会均等法

まとめ

今回はキャリアコンサルタント学科対策として「男女雇用機会均等法」についてまとめてみました。

参考程度でよいのですが、実は「男女雇用機会均等法」は略されていて正式名称は

  • 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

となります。

「男女雇用機会均等法」の妊娠中や出産後などに関する規定は、細かい数字がないので覚えやすいですね。

「労働基準法」における母性保護規定と合わせて押さえておきましょう!

「男女雇用機会均等法」の母性健康管理の措置、ついて一問一答!

では、キャリアコンサルタントの学科試験対策として知識の定着のために、一問一答で!

次の問題について、正しいか間違っているかを答えてみましょう。

問題1:「職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」への対策を講じることは、事業主の努力義務である。

問題2:妊娠中または出産後1年を経過しない女性労働者を解雇した場合は無効になる。

問題3:妊娠中または出産後の女性労働者に関して、健康診査を受けるための時間確保ができるようにすることは、事業主の義務である。

では、解答です。

問題1:× 「職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」への対策を講じることは、事業主の義務である。努力義務ではない。

問題2:〇 設問のとおり。妊娠中または出産後1年を経過しない女性労働者を解雇した場合は無効になる。ただし、解雇の理由が、妊娠、出産でないことを証明すればこの限りではない。

問題3:〇 設問のとおり。妊娠中または出産後の女性労働者に関して、健康診査を受けるための時間確保をできるようにすることは、事業主の義務である。

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