ハヴィガースト<発達課題>
概要
ハヴィガーストは、人の成長段階において果たさなければならない課題を設定(発達課題)。人生のそれぞれの時期に生ずる「課題」で、それを達成していくことで幸福感を感じやすくなり、逆に課題を克服できないと次の発達段階の課題を成し遂げるのも困難となるし社会から承認されにくくなる。
成長段階におけるそれぞれの課題
成長段階 | 発達課題 |
乳幼児期 | ・歩行、食事、話すことの、排泄の学習
・性の相違及び性の慎みの学習 ・社会や事物についての単純な概念形成 ・両親、兄弟との人間関係についての学習 ・正・不正を区別することの学習と良心を発達させること |
児童期 | ・遊びを通じての身体的技能の学習
・成長する生活体としての自己に対する健全な態度の養成 ・同年齢の友達と仲良くすることの学習 ・男子または女子としての正しい役割の学習 ・読み、書き、計算の基礎的技能を発達させること ・日常生活に必要な概念を発達させること ・良心、道徳性、価値の尺度を発達させること ・自立的な人間形成、社会的集団に対する態度を発達させること |
青年期 | ・同年齢の男女両性との洗練された新しい関係
・自己の身体構造を理解し、男性または女性としての役割を理解すること ・両親や他の大人からの情緒的独立、経済的独立に関する自信の確立 ・職業の選択及び準備 ・結婚と家庭生活の準備 ・市民として必要な技能と概念の発達 ・社会人としての自覚と責任ある行動をとること ・行動の指針としての価値や論理の体系の学習、自己の世界観を持ち他人と調和しつつ自分の価値体系を守る |
壮年期 | ・配偶者の選択、結婚相手との生活の学習
・家庭生活の出発(第一子をもうけること) ・子どもの養育、家庭の管理 ・就職(壮年初期) ・市民的責任の負担、適切な社会集団の選択 |
中年期 | ・大人としての市民的社会的責任の達成
・一定の経済的生活水準の確立と維持 ・十代の子どもたちが、信頼できる幸福な大人になれるよう援助すること ・大人の余暇活動を充実すること ・自分と自分の配偶者をひとりの人間として結びつけること ・中年期の生理的変化を理解し、これに適応すること ・老年の両親への適応 |
老年期 | ・肉体的な強さと健康の衰退に適応すること
・引退と減少した収入に適応すること ・配偶者の死に適応すること、死への準備 ・自分と同年輩の老人たちと明るい親密な関係を確立すること ・肉体的生活を満足におくれるよう準備態勢を確立すること |
いろいろな発達課題が、どの成長段階ものなのかを分類整理できることが大事。自分にとって違和感があるものだけを覚えるとよい。