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能力開発基本調査(令和元年版)

 
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(株)TADAJUKU代表。キャリアコンサルタント&心理カウンセラー。キャリコン試験対策全般、スーパービジョン、起業支援。著書4冊。奈良県出身、大阪府在住【好き】ブログ、読書、猫、散歩、カフェなど^^

キャリコン試験では絶対に外せない能力開発基本調査(令和元年版)資料を、コンパクトにまとめました!

ぜひ、ご利用くださいね。

各企業、事業所の労働者の能力開発実態を調査。平成13年から毎年実施。

(1)構成

  • 「企業調査」:企業の教育訓練費用、能力開発の方針について
  • 「事業所調査」:事業所の教育訓練の実施状況について
  • 「個人調査」:個人の教育訓練の実施状況について

(2)区分

正社員、正社員以外 (※それぞれの結果を意識すること!)

企業調査」の結果ポイント

(1)OFF-JT及び自己啓発支援に支出した費用 について

①教育訓練費用(OFF-JTまたは自己啓発支援費用)を支出した企業は57.5%。前回より増加↑

②企業の教育訓練(OFF-JT)の支出:ひとり平均1.9万円と前回(1.4万円)に比べ増加↑

③労働者への自己啓発支援の費用 :ひとり平均0.3万円と前回(0.3万円)に比べ増減なし

ポイント:従業員への自己啓発支援より、OFF-JTにお金をかける企業の方が多い

(2)能力開発の実績・見込みについて

正社員 増加 減少 実績なし/

実施しない

OFF-JT ①    過去3年間実績 約25% 約6% 約40%
②    今後3年間見込み 約33% 約1% 約33%
自己啓発 ①    過去3年間実績 約13% 約3% 約62%
②    今後3年間見込み 約25% 約0.6% 約53%

ポイント:正社員に対して、過去3年間、企業はOFF-JT、自己啓発に支出するお金はともに増加傾向。今後も増加する予定。ただし「実績なし/実施しない」企業の割合が依然として高いことも注意。

正社員以外(パートなど) 増加 減少 実績なし/

実施しない

OFF-JT ①    過去3年間実績 約9% 約2% 約65%
②    今後3年間見込み 約17% 約0.6% 約58%
自己啓発 ①    過去3年間実績 約5% 約1% 約76%
②    今後3年間見込み 約13% 約0.2% 約68%

ポイント:正社員以外に対して、過去3年間、企業はOFF-JT、自己啓発に支出するお金はともに増加傾向。今後も増加する予定。ただし、「実績なし/実施しない」企業の割合は、正社員と比して割合がかなり高いことに注意。

(3)労働力に求める能力・スキルについて

正社員に求める能力・スキル

1位:マネジメント能力・リーダーシップ(約51%)

2位:チームワーク、協調性・周囲との協働力(約47%)

3位:職種に特有の実践的スキル(約37%)

正社員以外に求める能力・スキル

1位:チームワーク、協調性・周囲との協働力(約64%)

2位:職種に特有の実践的スキル(約39%)

3位:定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル(約35%)

(4)事業内職業能力開発計画及び職業能力開発推進者について

①事業内職業能力開発計画を作成している(一部作成含む)企業は全体の1/4(25%)未満

②職業能力開発推進者を選任している企業は全体の1/4(25%)未満。選任している企業でも、本社と事業所の兼任体制が約61%。

補足:能力開発推進者は「キャリアコンサルタントその他職業能力開発推進者の業務を担当するための必要な能力を有すると認められる者」から選任する

(5)教育訓練休暇制度及び教育訓練短時間勤務制度の導入状況について

  • 教育訓練休暇制度は「導入していないし、導入する予定はない」が約80%。
  • 教育訓練短時間勤務制度は「導入していないし、導入する予定はない」が約80%。

教育訓練休暇制度及び教育訓練短時間勤務制度が導入されない理由(複数回答)

1位:代替要員の確保が困難だから(約50%)

2位:制度自体を知らなかったから(約39%)

3位:労働者から導入の要望がないから(約31%)

「事業所調査」の結果ポイント

(1)教育訓練の実施に関する事項について

OFF-JTの実施状況

→実施したOFF-JTの教育訓練機関の種類は、正社員、正社員以外ともに「自社」が最も高い

・正社員に実施75.1%(前回75.7%)やや減少、3年移動平均は近年なだらかな増加傾向。

・正社員以外に実施39.5%(前回40.4%)やや減少、3年移動平均は近年なだらかな増加傾向。

実施したOFF-JTの内容(複数回答)

1位:新規採用者など初任層を対象とする研修(約75%)

2位:新たに中堅社員となった者を対象とする研修(約48%)

3位:マネジメント(管理・監督能力を高める内容など)(約47%)

計画的なOJTの実施状況

・正社員に対して計画的なOJTを実施64.5%(前回62.9%)と比べて増加。3年移動平均は近年なだらかな増加傾向。

・正社員以外に対して計画的なOJTを実施 29.0%(前回28.3%)と比べ増加。3年移動平均は正社員に対する場合と反対に、近年なだらかな減少傾向。長期的に、正社員に対する割合に比べて2分の1に満たない水準で推移。

計画的なOJTの実施状況(職層別)

1位:新入社員(約57%)

2位:中堅社員(約40%)

3位:管理職層(約24%)

(2)人材育成について

能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所は 76.5%(前回76.8%)とやや減少。3年移動平均も、近年人材育成に問題のある事業所は増加傾向。

問題点の内容(複数回答)

1位:指導する人材が不足している(約58%)

2位:人材を育成しても辞めてしまう(約54%)

3位:人材育成を行う時間がない(約50%)

(3)労働者のキャリア形成支援について

キャリアコンサルティングを行うしくみの導入状況

キャリアコンサルティングを行う仕組みを導入している事業所は約40%。

  • 正社員: 39.4%(前回44.0%)  3年移動平均は近年、40%台前半を推移。
  • 正社員以外: 27.0%(前回28.0%) 3年移動平均は近年、20%台後半を推移。

キャリアコンサルティングの実施時期(複数回答)

・労働者から求めがあった時に実施する(正社員56.3%|正社員以外66.2%)

・人事評価のタイミングに合わせて実施する(正社員52.3%|正社員以外39.2%)

・定期的に実施する(正社員51.5%|正社員以外46.1%)

キャリアコンサルティングを行う目的(複数回答)
1位 労働者の仕事に対する意識を高め、職場の活性化を図るため
2位 労働者の自己啓発を促すため
3位 労働者の希望等を踏まえ、人事管理制度を的確に運用するため

※正社員、正社員以外ともに順位同じ

キャリアコンサルティングを行った効果(複数回答)
1位 労働者の仕事への意欲が高まった
2位 自己啓発する労働者が増えた
3位 人事管理制度に労働者の希望等を的確に反映して運用できるようになった

※正社員、正社員以外ともに順位同じ

キャリアコンサルティングを行う上での問題点の内訳(複数回答)
正社員 正社員以外
1位 労働者からの相談件数が少ない 労働者からの相談件数が少ない
2位 相談をする時間確保が難しい 効果が見えにくい
3位 効果が見えにくい 相談をする時間確保が難しい

補足:相談を受けているのが「キャリアコンサルタント」であるのは9.8%しかない。

キャリアコンサルティングを行っていない理由(複数回答)
1位 労働者からの希望がない
2位 相談を受けることのできる人材(キャリアコンサルタント等)を内部育成することが難しい
3位 労働者がキャリアに関する相談をする時間を確保することが難しい

※正社員、正社員以外ともに順位同じ

ジョブ・カードの認知状況

「名称は聞いたことがあるが内容は知らない」が42.6%、「名称を聞いたことがなく、内容も知らない」が31.1%と、内容そのものを知らない事業所が約74%もあり、浸透していない。

労働者の自己啓発に対する支援の実施状況

・正社員を雇用する事業所のうち、正社員の自己啓発に対する支援を行っている事業所の割合は82.3%(前回82.5%)。3年移動平均を見ると8割程度であまり変化なく推移。

・正社員以外を雇用する事業所のうち、正社員以外に対して支援を行っている事業所は57.9%(前回55.4%)。3年移動平均で見ると6割弱であまり変化なく推移。

補足:支援内容としては「受講料などの金銭的援助」(正社員81.0%、正社員以外65.3%)が最も多く、「教育訓練休暇(有給、無給の両方を含む。)の付与」(正社員19.5%、正社員以16.1%)は少ない。

(4)労働者の職業能力評価について

職業能力評価の実施状況

・正社員を雇用する事業所のうち、正社員に対して職業能力評価を行っている事業所は54.4%

(前回56.5%)。3年移動平均を見ると平成26年度以降では大きな変動はない。

・正社員以外を雇用する事業所のうち、正社員以外に対して職業能力評価を行っている事業所は

36.2%(前回40.2%)。3年移動平均を見ると平成26年度以降では大きな変動はない。

職業能力評価における検定・資格の利用状況

職業能力評価を行っている事業所で、職業能力評価における検定・資格を利用している事業所は53.5%。

補足:利用している検定・資格は、「国家検定・資格(技能検定を除く)又は公的検定・資格」が一番多い。

職業能力評価の活用方法(複数回答)

1位:「人事考課(賞与、給与、昇格・降格、異動・配置転換等)の判断基準」(81.8%)

2位:「人材配置の適正化」(60.4%)

3位:「労働者に必要な能力開発の目標」(45.8%)

職業能力評価に係る取組の問題点(複数回答)

1位:「全部門・職種で公平な評価項目の設定が難しい」 (70.9%)

2位:「評価者が評価基準を把握していないなど、評価内容にばらつきが見られる」(50.4%)

(5)技能継承について

  • 技能継承に問題があるとする事業所は39%。
  • 技能継承の取組内容

1位:「退職者の中から必要な者を選抜して雇用 延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」(64.2%)

2位:「中途採用を増やしている」(51.1%)

3位:「新規学卒者の採用を増やしている」(30.9%)

「個人調査」の結果ポイント

(1)能力・スキルについて

仕事をする上で自信のある能力・スキルがある常用労働者の割合は81.8%であり、正社員では85.8%、正社員以外では74.9%と正社員を下回っている。

自信のある能力・スキルの内容(複数回答)
正社員 正社員以外
1位 チームワーク、協調性・周囲 との協働力 チームワーク、協調性・周囲 との協働力
2位 定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル 定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル
3位 ITを使いこなす一般的な知識・能力 コミュニケーション能力・説得力

 

今後、向上させたい能力・スキルがある常用労働者の割合は89.5%であり、正社員では93.3%、正社員以外では82.8%となっている。

向上させたい能力・スキルの内容(複数回答)
正社員 正社員以外
1位 マネジメント能力・リーダーシップ ITを使いこなす一般的な知識・能力
2位 課題解決スキル(分析・思考・創造力) コミュニケーション能力・説得力
3位 ITを使いこなす一般的な知識・能力 課題解決スキル(分析・思考・創造力)

(2)会社を通して受講した教育訓練について

OFF-JTの受講状況

正社員は43.8%、正社員以外では20.5%。正社員以外の受講率は正社員を大きく下回る。受講率は男性(42.6%)が女性(27.5%)よりも高い。最終学歴別では「中学・高等学校・中等教育学校」(27.6%)に対して「大学卒以上」(44.3%~61.9%)が高い。

OFF-JTを受講した者の延べ受講時間

労働者全体でみると、「5時間未満」が22.9%、「5時間以上10時間未満」が26.4%と、10時間未満の者が全体の1/2近くの割合を占める。

受講したOFF-JTの役立ち度

正社員、正社員以外も「役だった、どちらかというと役だった」が9割以上。

(3)自己啓発について

自己啓発の実施状況

労働者全体では29.8%。正社員で39.2%、正社員以外で13.2%と、正社員以外の実施率が低い。男性(35.8%)が女性(23.4%)よりも高い。最終学歴別では、「中学・高等学校・中等教育学校」(17.9%)に対して「大学卒以上」(43.1%~63.0%)が高い。

自己啓発の実施方法(複数回答)

1位:ラジオ、テレビ、専門書、インターネット等による自学、自習

2位:eラーニング(インターネット) による学習

3位:社内の自主的な勉強会、研究会への参加

自己啓発を行った者の延べ実施時間

平均延べ自己啓発実施時間で見ると、労働者全体では39.5時間。正社員41.5時間に対して正社員以外は28.9時間と少ない。

自己啓発を行った者の延べ自己負担費用の状況

平均延べ自己負担費用を見ると、労働者全体では 27.7千円。正社員では28.6千円、正社員以外では22.7千円と正社員以外がやや低い。

自己啓発を行った理由(複数回答)

1位:現在の仕事に必要な知識・能力を 身につけるため

2位:将来の仕事やキャリアアップに備えて

3位:資格取得のため

自己啓発を行う上での問題点

正社員、正社員以外のいずれも「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」(正社員55.0%、正社員以外35.5%)が最も高い。

(3)これからの職業生活設計について

職業生活設計の考え方

主体的に自分で設計を考えていきたいは、正社員65.7%、正社員以外47.7%。正社員以外は「わからない」とする割合が32.8%と正社員16.1%に比べて大幅に高い。

キャリアコンサルティングの経験

労働者全体では12.0%。正社員では15.0%、正社員以外では6.8%。「仕事に対する意識が高まった」を挙げる者の割合が正社員(53.7%)、正社員以外(49.3%)ともに最も高い。

キャリアコンサルタントによる相談の要望

正社員は「費用を負担することなく、社内で利用できるのであれば、利用したい 」が28.0%、「費用を負担することなく、社外で利用できるのであれば、利用したい」が25.0%。「社外で、費用を負担してでも利用したい」が2.3%。

正社員以外は「費用を負担することなく、社内で利用できるのであれば、利用したい」が20.1%、「費用を負担することなく、社外で利用できるのであれば、利用したい 」 が14.0%。「社外で、費用を負担してでも利用したい 」が1.0%。

キャリアコンサルタントに相談したい内容(複数回答)
正社員 正社員以外
1位 将来のキャリアプラン 仕事に対する適性・適職
2位 仕事に対する適性・適職 適切な職業能力開発の方法 (資格取得、効果的な自己啓発の方法等)
3位 適切な職業能力開発の方法(資格取得、効果的な自己啓発の方法) 将来のキャリアプラン

教育訓練休暇・教育訓練短時間勤務の利用

「勤務している事業所に制度があるか分からない」が5割以上を占める。

 

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(株)TADAJUKU代表。キャリアコンサルタント&心理カウンセラー。キャリコン試験対策全般、スーパービジョン、起業支援。著書4冊。奈良県出身、大阪府在住【好き】ブログ、読書、猫、散歩、カフェなど^^

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