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《国家資格第23回》学科試験 過去問解説〔問題1~10〕

 
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(株)TADAJUKU代表。キャリアコンサルタント&心理カウンセラー。キャリコン試験対策全般、スーパービジョン、起業支援。著書4冊。奈良県出身、大阪府在住【好き】ブログ、読書、猫、散歩、カフェなど^^

問題1 難易度:易

×
令和4年版労働経済の分析から出題。選択肢1を速攻で×肢と判断できる。

1)高齢者や女性の労働供給が今後増加は見込めないことはない。女性や高齢者等の労働参加を進めていくことも必要。よって誤り。
2)設問のとおり。高品質や高付加価値のトレンドの中、専門的なスキルを持つ人材やサービス業の労働者への需要が増加している。
3)設問のとおり。介護・福祉領域とIT領域での労働力の需要が増加することが見込まれる。
4)設問のとおり。人口減少局面を迎え、当面、生産年齢人口が減少することが見込まれている。

問題2 難易度:易

× × ×
国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)からの出題。感覚的に、選択肢2を正解と判断できることが必要。

1)「お金を得るために働く」と答えた人の割合は、男性(61.4%)女性(64.9%)。男性が「顕著に高い」は誤り。
2)若年層である18~29歳での割合が最も高い。年齢層があがると低くなる傾向。よって誤り。
3)設問のとおり。理想的な仕事として最も割合が高いのは、「収入が安定している仕事(62.8%)」である。次いで「私生活とバランスがとれる仕事(53.7%)」、「自分にとって楽しい仕事(51.9%)」、「自分の専門知識や能力が活かせる仕事(35.9%)」が続く。
4)「自由時間をもっと増やしたい(41.9%)」<「収入をもっと増やしたい(53.7%)」。よって誤り。

問題3 難易度:易

× × ×
令和4年版労働経済の分析から出題。キャリアコンサルティングを受けた経験がある者が、一般的にどういう性格、行動思考なのかイメージできるように。

1)設問のとおり。キャリアコンサルティングを受けた経験を持つ人は、今の仕事や職業生活に「満足」「大体満足」と感じている確率が高い。
2)過去にキャリアコンサルティングを受けた経験がある者の方が、転職回数が「0回」である者の割合は低く、「1回」以上である者の割合は高くなっている。よって誤り。
3)キャリアコンサルティングを経験した人は、一つの分野での経験を深めるよりも、異なる分野へのキャリア移行をより前向きに検討する傾向が見られる。よって誤り。
4)キャリアコンサルティングを受けた人は、自分の職業的スキルが他の会社でも有効であると信じる人の比率が高いことが明らかである。よって誤り。

問題4 難易度:易

×
ジェラット提唱の「積極的不確実性」から大問で出題。ジェラットは、「左脳」を中心とした意思決定ばかりではなく、不確実な時代に対応するために、「右脳」に基づく意思決定の重要性も主張した。

1)積極的不確実性は、従来の合理的な意思決定の枠組みを取り消すものではなく、それを補足する役割を持っている。よって誤り。
2)設問のとおり。積極的不確実性(後期の理論)では、(思慮深い)想像力、直感、柔軟性が重要になってくる。
3)設問のとおり。主観的認知も必要とされる。
4)設問のとおり。意思決定は、目標を創造するプロセスでもある。

問題5 難易度:易

× × ×
デシの「内発的動機付け」から出題。デシのことを知らない人でも、「外発的動機付け」「内発的動機付け」という内容をしている人は多いと思われる。選択肢3を積極的に〇肢と判断できる。

1)内発的動機づけは、自分自身の感じる充実感や達成感などの内部的な報酬に基づくモチベーションを指し、それは幼児期以前から固定されているわけではない。よって誤り。
2)「他者との繋がり」は内発的動機づけを促す要因の一つである。内発的動機づけは、自律性、有能感、そして関係性という三つの基本的な欲求に根ざしている。よって誤り。
3)設問のとおり。内発的動機づけは、自分自身の感じる充実感や達成感などの内部的な報酬に基づくモチベーションのこと。自分でやりがいをもって働き、困難を克服して目標を達成する内発的動機づけに働きかけることが、職場や組織を活性化し、発展させる。
4)外部からの報酬が導入されると、時として内発的動機づけが損なわれることが知られており、これを「アンダーマイニング効果」と呼んでいる。よって誤り。

問題6 難易度:易

× × ×
かなり変わった問題であるが、多文化キャリアカウンセリング論を知らなくても、選択肢3は〇肢と判断しやすい。

1)学生が自己理解を深めたいと相談してきた際、ホランドの理論に基づくVPI職業興味検査のような手法でアプローチすることが考えられる。よって誤り。
2)好きな名言や格言を聴くことだけでは、自己効力感の向上には十分ではない。例えば、バンデューラの社会的学習理論を参考に、これまでの成功体験を思い出すこと(遂行行動の達成)や、自分が尊敬する人やロールモデルの経験を学ぶこと(代理経験)などの方法を取り入れることが有効である。よって誤り。
3)設問のとおり。多文化や社会正義の視点を持つキャリアカウンセリングでは、異文化の生活習慣や雇用習慣に関する情報の提供が、クライアントの適応や自己理解を促進する上で適切と言える。
4)復職のサポートにおいて、ホランドの6角形モデルを最初に提示するのは必ずしも適切でない。実際には、復職を考える際の不安や懸念をまずはじっくりと聞き取り、勤務先、医療機関などから情報提供や確認を行うことで、クライアントの安心感を増やし、仕事と治療のバランスを取るための具体的なサポートを進めることが望ましい。よって誤り。

問題7 難易度:易

× ×
頻出スーパーからの出題。やや自信のない選択肢があったかもしれないが、組み合わせとしては判断は容易。

A)設問のとおり。スーパーは、キャリア発達において思春期の中心的なプロセスを「成熟」と位置づけた。また、成人期のキャリア発達に関しては「アダプタビリティ(適応力)」をポイントとして挙げている。
B)本設問内容は「ハンセン」。よって誤り。
C)本設問内容は「レヴィンソン」。よって誤り。
D)設問のとおり。マキシサイクル:成長期、探索期、確立期、維持期、解放(下降、衰退)期の5つの段階で示される。

問題8 難易度:易

×
パールズ提唱のゲシュタルト療法からの出題。選択肢2がわからないかもしれないが、選択肢4がスキナーなので積極的に×肢と判断できる。

1)設問のとおり。
2)設問のとおり。「実存」とは、社会の価値観や評価から独立した、自己の純粋な存在を指し示し、その存在を誠実に受け入れ、自らを認識することを強調する思想である。ゲシュタルト療法は、この実存主義的な考えを基盤に、個人が現在の瞬間において自身の体験や感情に深く気づき、向き合うことを重んじている。
3)設問のとおり。有名な言葉「今、ここ」を押さえておきましょう。
4)シェーピング技法(行動療法の一つで、目標とする行動を小さなステップに分割し、容易な目標から始めて徐々に難易度を上げていく方法)は、スキナー。よって誤り。

問題9 難易度:難

×
家族療法からの出題。過去に深く突っ込まれて出題されたことはなく、本問は捨て問。ただし、今後も出題可能性はあるので、最低限復習しておきましょう。

1)設問のとおり。家族療法のアプローチでは、不適応な行動や症状の背景には個人だけでなく、家族全体の関係性や動態が影響していると捉える。したがって、問題の原因は単なる個人の中にあるだけではなく、家族というシステム全体の中に存在すると認識される。
2)「家族ホメオスタシス」は、家族システムが安定した状態を維持しようとする力やバランスのことを指す。これは、家族内での変動や不均衡を最小限に抑え、環境の変化や内部の圧力に対しても一定の状態を保とうとする傾向を示す。したがって、急激な変化や破壊を引き起こすような力ではなく、安定と均衡を追求する力である。よって誤り。
3)設問のとおり。「二重拘束」または「ダブルバインド」は、特に矛盾したメッセージや要求を受け取ることによって、対象者がどのような反応をしても問題が生じるような状態を指す。具体的には、一つのメッセージはある行動を要求し、もう一つのメッセージはその逆の行動を要求する、という形で矛盾した指示を同時に受け取ることで生じるジレンマの状態を示す。このような状態は、特に家族内のコミュニケーションにおいて、精神的な混乱やストレスの原因となる。
4)設問のとおり。家族療法は、家族全体を一つのシステムとして捉え、その中での相互関係やダイナミクスに焦点を当てまる。ここで言う「円環的因果律」とは、AがBの原因であり、同時にBがAの原因であるというような相互的な関係を指す。この関係性は線形的な因果関係とは異なり、家族の中での行動や反応が連鎖的に影響し合うことを示している。家族療法では、このような相互的な関係性を理解し、家族内の問題や不和を解決するためのアプローチを探ることが目的となる。

問題10 難易度:易

× × ×
面談における質問技法の横断問題。選択肢3,4は速攻で×肢と判断できる。選択肢1は、引っかからないように!

1)自己表現が得意でない相談者に対して、最初は「閉じた質問」を使うことで、相談者が回答しやすい環境を提供できる。特に面談の初期では、選択肢が限られている「はい・いいえ」のような質問が、相談者の戸惑いを減少させることができる。よって誤り。
2)設問のとおり。「どんなことですか」という問いかけをすることで、相手から詳しい状況や事実を具体的に聞き出すことが可能となる。
3)質問はキャリアコンサルタントが会話をコントロールするための手段ではなく、相談者の意見や感じていることを深く理解するためのツールである。よって誤り。
4)本設問の質問は「開かれた質問」。よって誤り。

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