認知療法<アーロン・ベック>

概要
認知療法は、CLの歪んだ思考パターンや問題を引き起こしている考え方の癖を修正することを目標とする。特に重要な概念として「認知の歪み」「スキーマ」「自動思考」がある。
代表的な「認知の歪み」
- 0or100、黒or白のように両極端思考
- 次もそうなるに違いないという悲観的思い込み
- 悪い側面だけを選択的に取り入れる
- 「自分の欠点・短所・ミス・罪悪」といった否定的な部分の過大評価(拡大解釈)
- 「絶対に~しなければならない」とする強迫的な義務感(責任感)
- 「悪い結果・悲惨な出来事・不幸な展開」の原因を全て、自分に求めてしまう
スキーマ
これまでの人生で育った環境や生活の中で形成されており、無意識化されていて意識することは難しい。人の思考や行動を決めている「心の構造」「信念体系」のこと。
自動思考
理由はわからないけど「勝手に頭の中に浮かんでくる考え方」のこと。
理解しよう!
例えば、今まで順調に営業成績を伸ばしてきたが、とあるお客さまから新規保険契約を断られた。この時、自動的に「嫌われることをしてしまったのかな」と勝手に頭の中にいろいろな考えが浮かんでくる。この背後にはスキーマとして「自分のことを受け入れてもらえない場合は嫌われている」という心の構造があったりする。結果、新規契約が取れなかった理由を、保険内容のミスマッチとかではなくて、すべての原因は自分の性格にあると決めつけてしまう(認知の歪み)。