キャリア教育と学校教育制度
キャリア教育と学校教育制度
試験範囲の「キャリア教育や日本の教育制度」では、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」「学校教育法」「教育基本法」「学習指導要領」からも出題されており、これらの内容は文部科学省の管轄であることを意識しましょう。
「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)中央教育審議会(2011年)」
キャリア教育の内容や定義は、1990年代から何度も拡充されて変遷しています。
その中でも直近の答申である「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)中央教育審議会(2011年)」の次の内容は押さえておきましょう。
若者や社会の現状
①学校卒業後、就職など社会への移行がスムーズではない
例 :早期離職率が高い、無業者や非正規雇用率が高いなど
②若者の職業人としての基本的能力の低下
例:コミュニケーション能力、職業意識や職業観の未熟さなど
これらに社会・経済のグローバル化などの急激な変化、職業の多様化などが加わり若者は困難に直面しているため、学校教育での「キャリア教育」「職業教育」は重要な役割を担うことになります。
キャリア教育とは
一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育
キャリア教育で育成すべき力の「基礎的・汎用的能力」
「仕事に就くこと」に焦点を当て、分野や職種に関わらず、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる能力。
①人間関係形成・社会形成能力
②自己理解・自己管理能力
③課題対応能力
④キャリアプランニング能力
<引用:今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」答申概要>
職業教育とは
一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育
キャリア教育・職業教育を充実させるための連携
学校と家庭・保護者及び地域・社会、企業、経済団体等の産業界、小学校から中学校・高等学校間、関係行政機関などとの連携は重要になります。
「職業教育」は職業人としての具体的な能力開発、「キャリア教育」は職業教育を含んだ意識や態度、知識や能力開発のことで、それぞれの内容や違いはしっかりと理解し覚えましょうね!
各学校段階のキャリア教育の主な推進ポイント
〔幼児期〕
自発性・主体的な活動を促す
〔小学校〕
社会性、自主性・自律性、関心・意欲等を養う
〔中学校〕
社会における自らの役割や将来の生き方・働き方等を考えさせ、目標を立てて計画的に取り組む態度を育成し、進路の選択・決定に導く
〔後期中等教育(高等学校)〕
後期中等教育修了までに、生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を育成。
またこれを通じ、勤労観・職業観等の価値観を自ら形成・確立する。
〔高等教育〕
後期中等教育修了までを基礎に、学校から社会・職業への移行を見据え、教育課程の内外での学習や活動を通じ、高等教育全般においてキャリア教育を充実する。
関連サイト
キャリア教育とは何か(文部科学省)
「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」概要
学校教育法
学校教育法は、憲法26条の「国民の教育を受ける権利」「義務教育について」などを規定し、学校教育制度の根幹を定める法律です。(文部科学省)
学校の範囲
幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校
義務教育学校
小中の義務教育9年間を一貫する「義務教育学校」が新設され、前期課程6年、後期課程3年に区分。(2016年4月1日から施行/第49条の2~8)
専門職大学、専門職短期大学
産業構造や社会の変化、急激なグローバル化などに対応するため、即戦力となる優れた専門技能を持つ専門職業人の育成を目的とした「専門職大学」「専門職短期大学」を創設。(2019年4月1日から施行)
関連サイト
学習指導要領
目的
学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)での基準を定めることで、全国的に一定の教育水準を確保する。
内容
小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や最低限教えるべき教育内容などを定めている。