人事管理
人事考課制度
人事考課とは
「人事考課」とは、与えられた業務に対する貢献度・能力・業績などを総合的に評価すること。
この評価結果は、配置や昇進・昇格、賃金への反映、能力開発や人材育成などに活用される。
人事考課の目的
従業員の公正な評価と、上司が部下に対する評価を行うことで管理能力を高める側面がある。
尚、評価の基本は次の3つが主な指標となる。
情意(態度)考課
仕事や業務への取り組み姿勢、態度、行動
成績(業績)考課
成果や業績、仕事の質と量
能力考課
知識や能力レベルの評価
「相対評価」:周り(他者)との比較
「絶対評価」:設定目標や評価基準が決まっており、クリアすれば高評価がつく
評価の歪み(評価傾向)について
評価の客観性は重要。
評価者の先入観が入ってしまう場合があり、次のような評価の歪み(評価傾向)には注意が必要。
ハロー効果
ある特定の項目の評価が高いと感じた場合、別の項目も引きずられて高くしてしまい、本来評価すべきポイントがずれてしまうこと。
寛大化傾向
評価者の価値観などで甘い評価をすること。
中央化傾向
評価を無難な平均近くにしてしまうこと。評価者が被評価者のことをあまり知らない場合などはこの傾向になりやすい。
論理的誤差
分析的に考えすぎて、評価項目間につながりがあると解釈して関連しそうな項目を結び付けて推定すること。
自己類似化傾向
自分と似ているところがある被評価者を高評価してしまうこと。
対比誤差
自分や誰かと比較して評価をしてしまうこと。
近接誤差
最近の出来事が評価に大きく影響を与えてしまうこと。
各評価エラー(歪み)の内容を理解して、覚えるようにしましょう!
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等級制度
「等級制度」とは従業員を序列する基軸を、大きく「能力」「職務」「役割」の3つとし、業務遂行における権限や責任、また処遇などの根拠となる制度。
代表的な制度は「職能資格制度」「職務等級制度」「役割等級制度」の3つ。
「職能資格制度」「職務等級制度」「役割等級制度」
職能資格制度
人を基準(能力)にした制度。
勤続年数が多くなると能力も向上するという考えに基づき、長く働くほど処遇が良くなる制度。
能力や勤続年数で資格等級や職位が決められる。
職務資格制度
仕事を基準にした制度(職務)。
仕事の難しさや重要度などで社員等級や処遇を決める制度。
職務と給与が合致し合理的。
役割等級制度
役割を基準にした制度。
具体的な目標に対しての達成度や成果を処遇に反映する制度。
成果主義で若手社員にも昇格・昇給のチャンスがあり、逆に「成果や役割が果たせていない」と判断されれば、降格・降給もあり得る。
等級制度、特に「職能資格制度」は過去に出題されています。
内容までしっかりと押さえておきましょう!
人事異動制度
ロールプレイングで実際に出てくる可能性がある異動関連の名称について。
異動関連の名称の定義
社内FA制度
社員が希望する職種や部署へ異動希望をし、対象部門とのニーズが合えば異動となる制度。
社内ベンチャー制度
企業が新規プロジェクト等で必要となるスキル・能力・実績を提示した上で社員全員に公募をし、実力のある社員に対し新規事業を任せるもの。
出向
社員の身分を維持し、他社の指揮命令下で業務に就く異動。
転籍
元の会社との雇用関係を終了させて、移籍先と新たな雇用契約を結ぶこと。
ジョブローテ―ション
社員の人材育成や能力開発を目的に定期的な異動をさせること。
企業内での能力開発について
社内での代表的な人材育成の2つの手法
OJTとOFF-JT
OJT(On-the-Job Training)
職場内で仕事を通じて、先輩や上司が部下指導を行うこと。
OFF-JT(Off the Job Training)
職場を離れて行う集合研修など。
「自己啓発」とは、個人が自発的な意思で行う能力開発のこと。具体的には読書や通信教育、勉強会参加など。