仕事理解
職業の理解
仕事理解と職業理解
キャリア形成における「仕事」とは「職業」だけでなく職業以外の「ボランティア活動」を含むものであり、キャリアコンサルタントはこれらを理解し、必要な知識を持つことは大切です。
また、相談者を支援するにあたり、仕事についての情報収集方法などの助言、また仕事の理解を深めてもらうのが「仕事理解の支援」となり、職業理解はどのような職業がどのように関係して存在するのかその全体像を幅広く理解することが理解の第1歩になります。
職業理解の観点からみるキャリアや職業の選択手順
選択の手順
- 興味や関心、適性を明らかにし、人生をどのように送りたいかを決め、職業に就く目的を明確にする。
- 産業や職業の情報を集めて理解を深める。
- 希望の職業内容を吟味する。
- 興味や関心、適性や希望との関りを吟味する。
- 職業に就くための教育機関、能力開発や具体的な求人事業所などを選び、条件や内容を調べる。
- 選んだ教育機関や能力開発、事業所に応募し、採用選考を受ける。
引用
キャリアコンサルティング 理論と実際 木村 周著
created by Rinker¥3,980 (2024/10/12 13:22:18時点 Amazon調べ-詳細)
職業の知識
職業紹介は、後述するハローワークインターネットサービスなどのツール以外にも、厚生労働省や総務省より「職業分類」などがあるので整理して理解しておきましょう。
厚生労働省編職業分類(ESCO)
ハローワークにおける求人・求職の取扱件数、社会的な需給などに基づいて体系的に分類したもの。
ハローワークなどの職業紹介所などで使用され、ハローワークインターネットサービスに掲載されている。
分類
大分類、中分類、小分類、細分類の4階層。約1万7千の職業が掲載。
日本標準職業分類との整合性を保ちつつ分類されている。
関連サイト
日本標準職業分類(JSCO)
法令に基づく統計基準として職業分類したもので、「標準統計分類」のひとつ。
個々の職業認定をするものではない。
分類
大分類、中分類、小分類の3階層。総務省の管轄。
関連サイト
職業ハンドブックOHBY
高校生を中心に中学生から大学生までの若年層が対象の職業情報・職業ガイダンスシステム。
パソコン画面上で自由に職業検索できる。
関連サイト
「厚生労働省編職業分類」と「日本標準職業分類」の違いなどをしっかりと押さえて覚えておきましょう!
職業情報のための分析について
職務分析
職業情報の作成において基本となる分析方法。
特定の職務について、
- 観察と面接で
- 職務に含まれる仕事内容と責任(職務の作業内容)、職務実施に当たり要求される能力(職務遂行条件)を調査・分析
- 結果を様式に記述する
職務調査
広い意味では職務分析。企業の中の「期待される人間像」の把握に重点をおいたもの。
職業調査
仕事の内容ばかりでなく入離職の状況、労働条件など広く「職業」全体を調べる。
企業分析
決算書、財務諸表などを対象とするもので「経営分析」といわれる
引用
キャリアコンサルティング 理論と実際 木村 周著
産業と事業所の理解
キャリアコンサルティングにおいては、職業理解のほかに産業と事業所の理解も必要です。
尚、キャリア選択には基本的3情報(職業、産業、事業所情報)と合わせて、キャリア関連情報(雇用・労働市場に関する情報や職業に就くための手段など)も理解しましょう。
産業の理解
職業は、仕事の内容からとサービスなどの業種(産業)からも選ぶことができるので、”職業”だけでなく”産業”の理解も大切です。
産業とは一定の場所(事業所)で行われる経済活動のこと。
事業所の理解
職業と産業を検討したあとは、勤務先となる事業所を具体的に選びます。
その際、場所や企業規模、民間か公務か、業種、勤務形態、賃金、職務内容、福利厚生、将来性、業界内の評価・評判などを調べることになりますね。
よって、事業所の理解も必要になります。
仕事理解の支援で活用できるツール
学科試験に出題された「仕事理解の支援」でも活用ができるツールを一覧に。(第10回実施分まで)
1 | ハローインターネットサービス(HWIS) |
2 | キャリア・インサイト 総合版(キャリアガイダンスシステム/CACGS) |
3 | キャリアシュミレーションプログラム(CSP) |
ハローワークインターネットサービス(HWIS)
概要
オンラインで、全国の求人情報、求職者向け情報(雇用保険の手続き案内、職務経歴書の書き方など)、事業主向け情報(求人申込手続きの案内、雇用保険・助成金の案内など)を提供しているハローワークのサービスのことです。
内 容
利用者自身がWEB上で上記の情報を入手する。
対象者
求職者、事業主、学生
関連サイト
キャリア・インサイト(総合版)
概要
コンピューターを使って行う、総合的なキャリアガイダンスシステムのこと。
内容
利用者自身がコンピューターを利用して、適性評価、適性に合った職業リスト参照、職業情報の検索、キャリアプランニングなどが総合して行える。
各コースともに「適性診断コーナー」、「総合評価コーナー」、「職業情報コーナー」、「キャリアプランニングコーナー」の4つのコーナーがある。
対象者
18歳~60歳程度
年齢によりECコース(18歳~34歳)、MCコース(35歳~60歳)に分かれている。
関連サイト
キャリア・インサイトの構成
<キャリア・インサイトの構成>
キャリアシュミレーションプログラム(CSP)
概要
就職後の職業生活のイメージ(就業イメージ)を得るためのグループワーク型の授業やセミナー用の教材のことです。
内 容
「シミュレーション」と「ふりかえり」の二部構成。1名のファシリテータ(実施者)のもと、少人数(3~5人)で実施。
対象者
就業経験のない(あるいは浅い)大学生等や若年者向け。
参考サイト
啓発的な経験について
啓発的な経験、いわゆる「職業経験」のこと。キャリアコンサルタントは学生であれば「インターンシップ」、就職困難者向けの「トライアル雇用」などの知識を持ち、体験の意義や目的が理解できるように支援し、実行に関しては助言すること。
インターンシップ
就業前に企業や組織などで「就業体験」する制度。
メリット
●学生サイド
- 自身の適性を自分で把握できる
- 仕事の内容理解が進む
- 企業の印象・イメージがつきやすい
- 就活時の企業選定の判断や基準ができる
など
●企業サイド
- 企業や業界のPR
- 学生に対する実態の理解促進
- 職場の活性化など
期間
半日から長期であれば半年や1年とさまざま。
「インターンシップ」 受入れ企業と学生の間で雇用関係が生じ「労働関係法令」は適用されます。