キャリコン関連法律
職業能力開発促進法
「職業能力開発促進法」は、労働者の職業能力を向上させることが目的。
キャリアコンサルタントの発足、キャリア・コンサルティング制度の元の法律であり、キャリア・コンサルティングに直接関連するので重要!
内容の抜粋
労働者の能力向上に関することとして、
- 事業主は労働者の職業能力開発を支援すること
- 労働者の職業訓練などの受ける機会を確保すること
- 職業能力の評価基準の明確化や評価システムの整備
- 能力開発の基本計画として厚生労働大臣が「職業能力開発基本計画」を策定する。
現在は、「第10次職業能力開発基本計画」が進行中(H28~H32の計画)
キャリア・コンサルティングの定義
「キャリア・コンサルティング」とは労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいう。
労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上を促進するために事業主が講ずる措置に関する指針
「職業能力開発促進法」の補足的な位置づけの指針。
事業主が具体的にキャリア支援を進める際の手引き的なもの。
- 情報提供
- 相談の機会確保(キャリア・コンサルティングの実施)
- 労働者が能力を活かせるような配置や雇用管理
- 教育訓練受講のためなどの休暇の付与
- 教育訓練を受ける時間の確保 など
・指針の関連資料はここ
関連サイト
▼1問1答で実力チェック!▼
職業能力開発促進法の改正
2016年4月1日職業能力開発促進法は、キャリア開発やその支援に関わる部分について積極的な改正を行った。
改正のポイント
1)労働者自身がキャリア開発、キャリアデザイン(職業生活設計)を行うことを課した。
2)事業主の責任として労働者のキャリア開発への支援が義務化され、(一部は努力義務)キャリア・コンサルティングの機会確保などが規定された。
具体的な施策として、後述する「セルフ・キャリアドック制度」がある。
3)企業内で行われるキャリア・コンサルティングは国家資格化されたキャリアコンサルタントが提供。
またこのタイミングでキャリアコンサルタントは名称独占権が与えられた。
第10次職業能力開発基本計画
「職業能力開発促進法」に基づき厚生労働大臣が策定。現在は「第10次職業能力開発基本計画(生産性向上に向けた人材育成戦略)」となる。
現在の日本は「少子高齢化による人口減少」「グローバル化」「IT化」「AI」などへの対応のため、働く環境や求められる人材・能力が激変。
この状況下で「労働者のひとりひとりが能力を高めて、その能力が発揮できる世の中を作ろう!」を目標にいろんな施策を打っている。
ねらい
タイトルにもある「生産性向上に向けた人材育成戦略」について、「経済の量の拡大と質の向上の双方から成長させる」として計画。
期間
平成28年~平成32年までの5年間
職業能力開発の方向性と基本施策
- 生産性向上に向けた人材育成の強化
- 「全員参加の社会の実現加速」に向けた女職業能力底上げの推進
- 産業界のニーズや地域の創意工夫を活かした人材育成の推進
- 人材の最適配置を実現するための労働市場インフラの戦略的展開
関連サイト
▼第10次職業能力開発基本計画の試験対策ポイントはココから!▼
セルフ・キャリアドック制度
従業員の活力を引きだし、企業の成長ヘと繋げる「セルフ・キャリアドック制度」は、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援するための総合的な取り組みのこと。
内容
- キャリア研修
- キャリア・コンサルティングとその後フォローアップ
制度の背景
職業能力開発促進法の改正(H28.4月改訂・施行)をきっかけとし、
- 労働者自らキャリアデザイン(職業生活設計)を行うこと
- 事業主は①に即してキャリア・コンサルティングの機会確保ほかの援助を行うことが規定され、具体的な取り組みとしてセルフ・キャリアドック制度を定めた。
セルフ・キャリアドックのメリット
- 従業員は、キャリア意識やモチベーションのアップほか
- 事業主は、人材の定着化や組織の活性化など
関連サイト
セルフ・キャリアドック導入支援サイト(厚生労働省)
▼さらに”セルフ・キャリアドック制度”を学べる記事はここから▼
働き方改革
「働き方改革」は「一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ」とする改革。
「労働時間法制の見直し」と「雇用形態に関わらない公正な待遇確保」を目的とする。
▼「働き方改革」の攻略はまずはこの記事からスタート!▼
労働時間法制の見直し
〔目的〕長時間労働を是正し「ワーク・ライフ・バランス」を実現
雇用形態に関わらない公正な待遇確保
〔目的〕正規雇用と非正規雇用の不合理な待遇差をなくす
関連資料・サイト
職業能力評価基準
職業能力評価基準とは
仕事をこなすために必要な「知識」「技術・技能」に加えて、「成果につながる職務行動例(職務遂行能力)」を、業種別、職種・職務別に整理して体系化した基準。
「キャリアマップ」と「職業能力評価シート」の2つのツールで、実践的な職業能力が具体的に示され、客観的に評価できる。
キャリアマップ
〔目的〕企業での「人材育成」への活用。
<引用:厚生労働省HP>
職業能力評価シート
〔ねらい〕「チェック式シート」で能力レベルや、何が不足しているのかが具体的にわかり、定期的なチェックで習熟度を把握。