行動療法<古典的条件づけ、道具的条件づけ>
概要
行動療法には大きく分けて「古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)」と「道具的条件づけ(オペラント条件づけ)」がある。
2つの条件づけ
(1)古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)
<パブロフが創始者>
ある刺激に対して無意識で反応が起こる。
※パブロフの犬実験:ベルが鳴る⇒犬に餌を与えるを繰り返す。そうすると犬はベルが鳴っただけで唾液が出る。条件反射。無意識の反応。
学習が成立するためには、犬に餌を与えるすぐ側でベルを鳴らすことが重要。これを「接近の法則(関係性の強いものを近づける)」という。
(2)道具的条件づけ(オペラント条件づけ)
<ソーンダイクが創始者>
欲求充足のための手段(道具)として、意識的に行動を起こす。
※ネコの実験:檻に入れられた猫が走り回りたまたま体にレバーが当たる。すると餌が落ちてきた。何度か体にレバーが当たると餌が貰える(これが強化因子となる)体験をする。餌が出なくなっても体をレバーにぶつける。試行錯誤しながら行動を定着させる。
ちなみに、ネズミを使って同じような実験を行ったのが<スキナー>という人物である。
餌が貰えるという強化因子があるので、行動を増やす。これを「強化の法則」という。
本来はかなり難しい内容なので最低限で説明。まずは行動療法の2種類の特徴だけを押さえる。
具体的な行動療法についてご紹介
(1) 古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)に基づくもの
① 系統的脱感作法<ウォルピが開発>
「逆制止(リラックスさせて不安を消す)」の原理を使って、段階的に不安反応を除去する方法である。例えば、高所恐怖症の人にまずは「自律訓練法」でリラックスしてもらったあと、1階から順番に恐怖を感じさせなくする(脱感作)。
② 主張訓練
対人場面で正当な自己主張ができるように何度も練習する。例えば、過度な仕事に対して「この仕事はできません」とハッキリ言えるように訓練すること。
(2) 道具的条件づけ(オペラント条件づけ)に基づくもの
① 強化法
報酬を期待することで行動が形成される。
a) シェーピング法:スモールステップで段階的に目標を達成させる。沢山のことを一気に誉めるのではなくて、段階をおって1つずつ誉めながら小さな目標を達成させていく。
b) トークンエコノミー法:夏休みのラジオ体操で、参加するたびにカードにシールを貼ってあげて行動を持続させる。
② 嫌悪療法
罰を与えることで、よくない行動を消す。例えば、クラブ活動で遅刻すると腕立て伏せ100回という罰を与えることで遅刻を無くす。