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【キャリコン学科試験】サビカス:過去問から頻出論点を分析してみた!

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サビカス
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過去問を徹底的に分析して、頻出理論家の重要論点をまとめて紹介しています。今回は、頻出理論家である『サビカス(Mark,L.Savickas.)』を取り上げます。サビカスのキャリア構築理論は、パーソンズからホランドに至るマッチング理論(特性因子論)、スーパーのキャリア発達理論などを統合・発展・展開した21世紀のキャリア理論と位置づけられています。マッチング理論やキャリア発達理論と併せて覚えると理解しやすいと思います。

過去問の最近の傾向としては下記の通り、サビカスに関して毎回出題されています。(①問題文に『サビカス』の文言を含んでいる場合、②問題文には含まれていないが、解答が『サビカス』である場合を含む)。

【第2回】問13-1、【第4回】問10、【第5回】問7-2、【第6回】問10【第7回】問6-1、【第8回】問7、【第9回】問7、【第10回】問8-4【第11回】問8、【第12回】問10、【第13回】問9、【第14回】問8-4【第15回】問3、問7-4、【第16回】問3、問6-4

★過去学科本試験3回分(150問)の徹底解説はこちら>>

記事作成者の私は、第15回キャリアコンサルタント試験を高得点で(学科84点、実技125点/内訳:論述44点、面接81点)一発合格しました。現在は(株)TADAJUKUのWebマーケティング部としての活動も行っています。

とくに、記事本文中の『過去問の論点!』は超重要です。時間ない方は、これだけでもしっかりと押さえていってくださいね。

キャリア構築理論

サビカスのキャリア構築理論は、変化の激しい今日の社会状況を踏まえ、現代の職業人の働き方に合ったキャリアを構築する上で有用な考え方を提供しています。この理論の大きな特徴は、職業行動を差異心理学、発達心理学、力動心理学といった3つの心理学の視点から包括的に捉えようとしていることです。

サビカスの理論的背景は、主に次の2つがあります。

  1. スーパーのライフ・スパン/ライフ・スペース理論的アプローチで、個人がどのように人生の役割の中に仕事を位置づけ、個人的な価値観を十分に反映した人生を築いていくかという文脈的視点に立つものである。そして、個人がどのようにアイデンティティを失わずに、変化する組織や職業と折り合いをつけていくかに着目し、柔軟性を重視した。
  2. キャリア構築理論のメタ理論として社会構成主義とは、「自然や自己についての正確で客観的な説明というものは、社会過程の産物であり、人々の間で構成されたものである」という立場をとるものである。

キャリア構築理論においては、いま起こっている出来事の解釈や個人が置かれている社会との関係性についての語りを重視しています。

キャリア構築理論は、職業行動における「職業パーソナリティ(what)」「キャリア・アダプタビリティ(how)」「キャリア・アダプタビリティ(how)」の3つの視点を用いて整理されます。

  1. 職業パーソナリティ(what)」は、「どんな職業が自分に合っているか」に答えるものであり、個人-環境適合理論に基づくホランドのモデルを取り入れ、キャリアに関連した能力、欲求、価値観、興味によって定義される。
  2. 「キャリア・アダプタビリティ(how)」は、「どのように職業を選択し適応していくのか」に答える概念で、現在および今後のキャリア発達課題、職業上のトランジション、そしてトラウマに対処するためのレディネスおよびリソースのことである。
  3. ライフテーマ(why)は、個人が職業活動に意味や方向性を与える解釈や人との関わりのプロセスに注目し、「なぜそのような職業を選択するのか」「なぜ働くのか」に答えようとするものである。サビカスは、自らのキャリア・ストーリーを語ることを通じて個人は「物語的真実」を再構成すると述べ、ライフ・テーマはその物語にまとまりを与え、個人にとって重要なことを表すものであると述べている。キャリア・ストーリーとは、個人が直面する発達課題やトランジションについての語りであり、その人の過去・現在・未来をつなぐ意味を作り出すものである。
過去問の論点!
  • 個人がキャリアを構築する上で職業行動への主観的な意味づけを強調し、キャリア構築理論を提唱した。この理論は、過去から現在の経験に対する意味づけを踏まえ、今後の職業人生に自分らしい意味を見出していく一連の過程が個人にとってのキャリアになると考える。
  • 職業パーソナリティ、キャリア・アダプタビリティ、ライフテーマの3つの主要概念で構成され、キャリア・アダプタビリティについては中核概念として4つの次元で説明されている。
  • キャリア構築理論の主要概念の1つである『ライフテーマ』は、個人が職業行動に意味や方向性を与える解釈や人とのかかわりのプロセスに注目し、「なぜそのような職業を選択するのか」「なぜ働くのか」に答えようとするものである。
  • キャリア構築理論を用いるカウンセラーが職業興味検査を扱う場合、結果の得点をクライアントの“本物”の興味として解釈するのではなく、可能性としての“仮説”を説明するために用いる必要があることをサビカスは強く主張している。
  • キャリア構築理論はサビカスが唱えた理論であり、パーソンズからホランドに至るマッチング理論(特性因子論)、スーパーのキャリア発達理論などを統合・発展・展開した21世紀のキャリア理論と位置づけられる。
  • キャリア構築理論を用いた実践では、各人の「ライフテーマ」を明らかにすることが最も重要な課題となる。
  • サビカスは、このスーパーの研究を引き継ぎ、キャリア構築理論のなかに、キャリア・アダプタビリティを中核概念として取り入れた。
  • キャリア・アダプタビリティを向上させることの目的は、自己概念を実現することにある。
  • キャリア構築理論は、キャリアを本人の主観的な側面から捉えることを重視する。
  • 安定性から機動性へと働き方が変わりつつある今日的状況を考察したサビカスは、安定性を前提とした個人-環境適合モデルや職業発達モデルだけでキャリアを理解することは困難であり、機動性という変化を常態するキャリア構築の概念としてキャリア・アダプタビリティの重要性を主張している。
  • キャリアストーリーは個人にとって意味のある選択や役割に適応するために、個人が用いるライフテーマを明らかにするという。
  • 職業的パーソナリティは、容易に変化しうる動的で主観的なものと捉える方が現実に即している。
一問一答「〇×チェック」
+を押して正答を確認
【問題】過去から現在の経験に対する意味付けというしがらみを否定し、個人が環境から受ける影響よりも能動的に環境を作り出すことを強調している。
【✖】キャリア構築理論は、過去から現在の経験に対する意味づけを踏まえ、今後の職業人生に自分らしい意味を見出していく一連の過程が個人にとってのキャリアになると考える。つまり、過去から現在の経験に対する意味付けを肯定している。
【問題】職業パーソナリティ、キャリア・アダプタビリティ、ライフテーマの3つの主要概念で構成され、キャリア・アダプタビリティについては中核概念として4つの次元で説明されている。
【〇】設問のとおり。職業パーソナリティ、キャリア・アダプタビリティ、ライフテーマの3つの主要概念で構成され、キャリア・アダプタビリティについては中核概念として4つの次元で説明されている。
【問題】サビカスは、スーパーの理論を否定し、独自のキャリア構築理論を展開した。
【✖】キャリア構築理論はサビカスが唱えた理論であり、パーソンズからホランドに至るマッチング理論(特性因子論)、スーパーのキャリア発達理論などを統合・発展・展開した21世紀のキャリア理論と位置づけられている。つまり、スーパーの理論を引き継いでいる。
【問題】キャリア構築理論は、キャリアを本人の主観的な側面からとらえることを重視する。
【○】設問のとおり。キャリア構築理論は、キャリアを本人の主観的な側面からとらえることを重視する。
【問題】キャリア・アダプタビリティは、3つの次元から構成される。
【✖】キャリア・アダプタビリティは、『関心、統制、好奇心、自信』の4つの次元から構成されている。
【問題】キャリア・アダプタビリティは、安定性を前提とする社会においてより重要とされる概念である。
【✖】安定性から機動性へと働き方が変わりつつある今日的状況を考察したサビカスは、安定性を前提とした個人-環境適合モデルや職業発達モデルだけでキャリアを理解することは困難であり、機動性という変化を常態するキャリア構築の概念としてキャリア・アダプタビリティの重要性を主張している。
【問題】キャリア構築理論は、労働者が職業の再構築をするためのキャリアガイダンスを最も重視する。
【✖】職業パーソナリティ、キャリア・アダプタビリティ、ライフテーマの3つの主要概念で構成されている。

キャリア・アダプタビリティ(4つの次元)

キャリア・アダプタビリティの4つとその内容は、最重要論点です。下記の内容は、必ず覚えておきましょうね!

過去問の論点!
  • サビカスのキャリア・アダプタビリティは、関心(concern)、統制(control)、好奇心(curiosity)、自信(confidence)の4つの次元から構成されている。
  • キャリア自信とは、進路選択や職業選択を行う際に必要となる一連の行動を適切に実行できるという自己効力感を意味している。
  • キャリア好奇心とは、自分自身と職業を適合させるために、好奇心をもって職業に関わる環境を探索することを意味している。
  • キャリア好奇心とは、新しい経験を受け入れ、様々な可能性を試す価値があるという信念であり、自分自身と職業を適合させるために職業に関わる環境を探索することである。
  • キャリア関心とは、職業上の未来についての関心であり、過去から未来への経験が連続しているという信念をもたらすものである。
  • キャリア関心とは、未来志向、つまり未来に向けて備えることが重要である、という感覚のことである。
  • キャリア統制とは、自らの未来を所有している、または未来を創造すべきであるという信念であり、自らのキャリアについて責任を持つことである。
  • キャリア統制とは、人々が自らのキャリアを構築する責任は自分にあると自覚し、確信することを意味している。
一問一答「〇×チェック」
+を押して正答を確認
【問題】キャリア自信とは、進路選択や職業選択において必要となる一連の行動を適切に行うことができるという意思決定能力のことである。
【✖】キャリア自信とは、進路選択や職業選択を行う際に必要となる一連の行動を適切に実行できるという自己効力感を意味している。
【問題】キャリア好奇心とは、自分自身と職業を適合させるために、好奇心をもって職業に関わる環境を探索することを意味している。
【○】設問のとおり。キャリア好奇心とは、自分自身と職業を適合させるために、好奇心をもって職業に関わる環境を探索することを意味しているキャリア自己概念は、ある時期(特定の発達段階)に決定されるものではない。
【問題】キャリア関心とは、過去にとらわれるのではなく、現在直面している職業上の課題やトランジションに目を向けることが大事であるという現在志向を意味している。
【✖】キャリア関心とは、未来志向、つまり未来に向けて備えることが重要である、という感覚のことである。
【問題】キャリア統制とは、人々が自らのキャリアを構築する責任は自分にあると自覚し、確信することを意味している。
【○】設問のとおり。キャリア統制とは、人々が自らのキャリアを構築する責任は自分にあると自覚し、確信することを意味している。
【問題】キャリア関心とは、職業上の未来についての関心であり、過去から未来への経験が連続しているという信念をもたらすものである。
【○】設問のとおり。キャリア関心とは、職業上の未来についての関心であり、過去から未来への経験が連続しているという信念をもたらすものである。
【問題】キャリア統制とは、自らの未来を所有している、または未来を創造すべきであるという信念であり、自らのキャリアについて責任を持つことである。
【○】設問のとおり。キャリア統制とは、自らの未来を所有している、または未来を創造すべきであるという信念であり、自らのキャリアについて責任を持つことである。
【問題】キャリア好奇心とは、新しい経験を受け入れ、様々な可能性を試す価値があるという信念であり、自分自身と職業を適合させるために職業に関わる環境を探索することである。
【○】設問のとおり。キャリア好奇心とは、新しい経験を受け入れ、様々な可能性を試す価値があるという信念であり、自分自身と職業を適合させるために職業に関わる環境を探索することである。

キャリア構築インタビュー

サビカスの提唱するキャリア構築カウンセリングのなかに組み込まれているキャリア構築インタビューでは、①ロール・モデル、②雑誌、③お気に入りのストーリー、④モットー、⑤思い出せる最も昔の記憶の5つの話題について、クライエントに質問し、それぞれのストーリーを話してもらいます。キャリアカウンセラーは、その応答を材料として、クライエントがライフ・ストーリーを明らかにし、キャリア・テーマを特定する支援します。

過去問の論点!
  • カウンセラーは、クライエントのお気に入りの本、雑誌、映画などを尋ねる。
  • キャリア構築インタビューの面接構造については、人と職業のマッチングの視点から整理できる。

①ロール・モデルでは、クライエントの少年/少女時代に、尊敬したり、あこがれていた人物について聞くことにより、「かくありたい」という自己概念を言葉にしてもらうとされている。マッチングでは「人」に相当すると考えられる。

②雑誌では、定期的に読んでいる雑誌、あるいは定期的に視聴しているテレビ番組について聞くことにより、興味のある職業や居心地のよい仕事環境を言葉にしてもらうとされている。マッチングでは「職業」に相当すると考えられる。

③お気に入りのストーリーでは、お気に入りの小説や映画を尋ね、そのストーリーを聞くことにより、①の「かくありたい」という自己概念が、②の興味ある職業や居心地のよい仕事環境と、どのように関わるのか、を言葉にしてもらうとされている(調和)。マッチングでは、「人」と「職業」をつなぐところに相当すると考えられる。

④モットーでは、クライエントに、お気に入りの座右の銘やことわざを聞くことにより、自分自身に対する効果的な助言を意識してもらうとされている(調和への励まし)。マッチングでは、「人」と「職業」をつなぐための助言に相当すると考えられる。

⑤思い出せる最も昔の記憶は、クライエントに、思い出すことのできる最も昔の記憶を聞くことにより、クライエントのおおもとになっているストーリーを意識してもらうとされている。マッチングでは、「人」と「職業」をつなぐストーリーの背景にある先入観やこだわりに相当すると考えられる。

一問一答「〇×チェック」
+を押して正答を確認
【問題】カウンセラーは、クライエントのお気に入りの本、雑誌、映画などを尋ねる。
【○】設問のとおり。カウンセラーは、クライエントのお気に入りの本、雑誌、映画などを尋ねる。
【問題】カウンセラーは、クライエントの青年期以降の記憶を中心に尋ねる。
【✖】3~6歳ぐらいの出来事もしくは覚えている最初の出来事を尋ねる。

 

まとめ

今回は「サビカス」について、解説しました。

サビカスの最頻出論点は、『キャリア・アダプタビリティの4つとその内容』です。これは必ず覚えておきましょう!キャリア構築理論について、しっかり理解しようとすると少し時間がかかってしまうので、過去問を中心に頻出論点を絞って“省エネ学習”をしていきましょう。

— 参考書籍 —

  • 新時代のキャリアコンサルティング(労働政策研究研修機構 (編集)、労働政策研究・研修機構= (編集))
  • 職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査
  • 新版キャリアの心理学[第2版]渡辺 三枝子 (編著)
  • 働くひとの心理学 岡田昌毅(著)

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