【問題74】労働経済の分析(重要度:S、難易度:中)
問題
「令和元年版 労働経済の分析」(厚生労働省)における、人手不足の下での「働き方」をめぐる課題に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
1.人手不足感が高まっており、特に中小企業で顕著である。三大都市圏以外も三大都市圏と同様に高まっている。
2.3年前から現在までに、人手不足を緩和するための対策に取り組んできた(近く取り組む予定を含む)企業の中で、「製造業」「教育・学習支援業」「卸売業・小売業」等は、全産業の平均取組割合を下回っている。
3.人手不足を緩和するために、「業務プロセスの見直しによる効率化の強化」に取り組んできた企業は、「医療・福祉」「建設業」等で相対的に多い。
4.人手不足の具体的な影響としては、「残業時間の増加、休暇取得数の減少」「従業員の働きがいや意欲の低下」などが指摘されている。
解答
3
1 | 2 | 3 | 4 |
〇 | ○ | × | ○ |
解説
【一言】「令和元年版 労働経済の分析」、第Ⅱ部 人手不足の下での「働き方」をめぐる課題から出題。選択肢2と3は細かいが、一応押さえておきましょう。
【解説】
1)人手不足感が高まっており、特に中小企業で顕著。三大都市圏以外も三大都市圏と同様に高まっている。さらに、産業別にみると、正社員では製造業・建設業、パートタイムでは生活関連サービス業等で特に強くなっている。
2)3年前から現在までに、人手不足を緩和するための対策に取り組んできた(近く取り組む予定を含む)企業は、全体の86%を占めている中、「製造業」「教育・学習支援業」「卸売業・小売業」等は、全産業の平均取組割合を下回っている。
3)誤り。人手不足を緩和するために、「業務プロセスの見直しによる効率化の強化」に取り組んできた企業は、「情報通信業」「サービス業(他に分類されないもの)」「学術研究,専門・技術サービス業」「製造業」等で相対的に多い。
4)人手不足は、多くの企業の職場環境にも影響を及ぼしている可能性がある。具体的な影響としては、「残業時間の増加、休暇取得数の減少」「従業員の働きがいや意欲の低下」などが指摘されており、労働者・企業ともに「働きやすさ」や「働きがい」の低下を実感している可能性が示唆される。