各種キャリアコンサルタント試験やカウンセラー試験では、相談者に気づきを与えられる関わりができるかどうか。いわゆる自己探索につながる質問ができているかが大事になります。
上手なキャリアコンサルタントは、いとも簡単にクライエントに新しい考え方や変化を与えることができますが、まだ経験値が浅い人は非常に難しいことだと思います。
キャリアコンサルティングをするうえで、どのようにすれば自己探索につなげられるのかについてヒントを書いてみます。
自己探索につながる支援とは?
自己探索とは
そもそも「自己探索」とはどういう意味でしょうか?
探索とは:未知の事柄などをさぐり調べること
おおむね、こんな感じが自己探索ということになると思います。
- 新しい自分と出会うこと
- 新しい考え方が浮かぶこと
- 新しい感情が出てくること
- 目の前が明るくなること
- ぼんやりと感じていたことをより明確化されること
- 自分の新しい興味や強みを発見すること
- 囚われたていた考え方を捨てること など
自己探索につながる支援の難しさ
自分ひとりでは、なかなか気づけないようなことをキャリアコンサルティングを通じて気づいてもらうこと。
ただ、気づきを与えないといけないと思い過ぎるとうまくいきません。
相談者に押し付けがましくなく、気づきを与えるための関わり合い方はとても難しいですね。
スキルうんぬんもあるのですが、相談者とのこころの距離感、セッション時間、押し引きなど感覚的なものが要求されるからです。
無理に気づきを与えようとすると必ず変な空気感になってしまうので要注意です。
自己探索の効果は
では、なぜ自己探索につながる関わり合いが必要なのでしょうか。
自己探索の効果についてみていきます。
「そういう考え方があるんだ」「いま自分が何にこだわっていることに気づきました」など。相談者自身で解決策をイメージできるようになります。
今まで見えていなかったことが見えるようになったり、新しい角度から物事のとらえかたについてヒントを得られることで、いま抱えている不安や悩みに対して、どういう行動が必要になるのかが(解決策)が自らでイメージできるようになります。
自己探索につながる関わり方のコツは?
効果はわかったとしても、どうすれば気づきを与えられるようになるのか。
コツについて説明していきます。
- 凝り固まっている考え方を緩めてあげる
- どんな風になっていきたいのか未来を語ってもらう
- 当たり前が実はそうではないと気づいてもらう
- 立場を入れ替えて俯瞰的に考えてもらう
- 狭い視点から広い視点に切替えてもらう
- 現実にできることに目を向けてもらう
凝り固まっている考え方を緩めてあげる
クライエントは自分が大切にしている考え方や価値観があります。
その大切にしている考えや価値観は、長い年月のなかで形成されています。なので、もし仮にその囚われや思い込みのせいで、今苦しんでいることになっているとしても、そう簡単に手放すことはできません。
なので、まずは凝り固まっている考え方を受容しつつ、ほぐしてあげる作業が必須です。
決して否定しないこと。焦らないように進めていきましょう。
どんな風になっていきたいのか未来を語ってもらう
現在のしんどい状況、不安、怒り、自信喪失状態になっている原因から改善策を考えても、余計にそこにとらわれてしまう可能性があります。
ときには、明るい未来を想像してもらうことも大事。
「どんな風になっていければいいなーと思いますか?」と聞いてあげてくださいね。
自分の未来について語ってもらうことで、新しい考えが浮かんできたりします。
当たり前が実はそうではないと気づいてもらう
クライエントは狭い世界のなかで生きていることも多くあります。
置かれている環境においては当たり前の考えだけど、すこしその環境を離れると常識が常識でなくなります。
上手くいかない場合は、狭い視点に陥りがちです。
とくに、自己肯定感が低くなってしまっているケースでは、クライエントが当たり前にできていることは本当は他の人からすればスゴイことなんだと気づいてもらう支援は有効となります。
立場を入れ替えて俯瞰的に考えてもらう
自分の考え方にとらわれているなと感じた場合は、立場を入れ替えて関わってあげましょう。
こんな感じで、立場を入れ替えて考えてもらえるような質問ができるといいですね。
狭い視点から広い視点に切替えてもらう
クライエントさんは、悩めば悩むほど狭い視点に陥りがちです。
実はキャリアコンサルタントも話を聴いているうちに、狭い視点で解決策を考えてしまうことも多いのです。
広い視点から質問をしてあげることで、もっと大事なことに気づいてもらえたりします。
子育てで迷惑ばかりかけているという悩みに対して、もう少し広い視点である「協力」「助け合い」という広い視点で関わってあげることで、俯瞰的に考えてもらえる機会をつくってあげましょう。
現実にできることに目を向けてもらう
クライエントは目の前の問題を早く解決したい。
どにしかして今の状況を変えたい。
と焦ってしまいます。ただ、そんな簡単に解決できないことも多いし、魔法のような方法があるわけではありません。
よって、現実にできることに目を向けてもらうように関わってあげましょう。
簡単ではありませんが、押し付けがましくなく自然な流れのなかで自己探索に繋がる質問ができるように訓練を積んでいきましょう!
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