キャリ協会、JCDA試験実施団体で実技面接評価基準(項目)の違いや内容について

キャリコンサルタント試験【実技】対策ヒント集

国家資格キャリコンサルタント試験の実技ロールプレイ(面接)試験において、どういったポイントで審査されるか、評価基準(項目)は両試験実施団体で違いがあります。

キャリアコンサルティング(CC)協議会の評価項目は【態度/展開/自己評価

JCDAの評価項目は【主訴・問題把握/具体的展開/傾聴

そもそもなぜ両団体において評価項目が違うのでしょうか?

具体的にはどういったことを注意してロープレをしなければいけないのでしょうか。

そのあたりを解説していきます。

両団体で評価基準が違うことに物申す?!

国家資格キャリアコンサルタント試験は、キャリアコンサルティング協議会(キャリ協会)と日本キャリア開発協会(JCDA)の2団体で運営されています。

2団体で運営するのはいいとして、国家資格なのに合格するための評価基準が違うって、そもそもどうのか?と思います。

このあたり先日ツイートしてみました。

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実技面接の評価項目は、キャリ協会とJCDAと違うことについて、まずはちょっと毒を吐きますね 笑  対人支援、傾聴のプロである団体が、お互いの意見をちゃんと聴けない。調整できないって、どうなの? 技法を駆使しても結局、対人関係において問題解決できないってことですよね。
もちろん、大人の事情があることはわかります。でも、国家資格として運営することを考えても、社会的使命をうたっている団体がいがみ合って、自己中心的になっていること自体違和感を感じるのは私だけではないはずです。キャリアコンサルタントという立場からしても評価項目は統一すべきですね。

キャリコンサルティングの考え方が違うからという理由

おそらく、キャリアコンサルティングの方法にはいろいろな考え方があるので、団体ごとに評価ポイントも違うので、あなたがしっくりくる団体の考え方で受検すればいいですよ。ということかもしれません。

であるのなら、もっと採点基準や団体の特徴について明確にすべき。受験生にとっては、その違いがよくわかりません。

もし、別個の基準でやっていく場合でも、合格率(難易度)はあわせるべきだと思います。

合格後は同じ「キャリコンサルタント」として名乗って行動するのです。相談者からすれば、どちらの団体で合格したかとかは一切関係のないことです。

合格基準にムラがあると、受験生にとって不平等が発生しますし、キャリアコンサルタントの質もバラバラになってしまいます。

個人的には合格率の誤差については、3%以内にしてもらいたいと考えています。でないと、こっちの受験団体のほうが合格しやすいとか。どちらの受験団体で受験したかで有利不利が発生してしまうのはオカシイと感じます。

実技面接ロープレの評価項目

では、両団体の評価項目を詳細にみていきましょう。

キャリアコンサルティング協議会の評価項目は【態度/展開/自己評価

JCDAの評価項目は【主訴・問題把握/具体的展開/傾聴

「態度」=「傾聴」

まず、キャリアコンサルティング協議会の「態度」とJCDAの「傾聴」について。

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キャリ協会の「態度」、JCDAの「傾聴」は概ね同じと考えていいと思います。言語、非言語で受容する。共感的理解。CCとして自分をありのまま受容することも大事。自己一致ですね。キャリ協会はさらに、必要に応じて助言、情報提供も「態度」に入っている可能性は高いです。
  • 非言語(視線、姿勢、うなづき、あいづち、マ、スピード、ジェスチャーなど)
  • 言語的追跡(繰り返し、伝え返し、言い換えなど)
  • 関わり合いの質問(オープンクエッション、クローズドクエッションなど)
  • 感情反映(気持ちを理解する)
  • 受容的態度
  • 共感的理解
  • 自己一致

このあたりを押さえれば大丈夫です。

もしかすると、キャリ協会では「態度」のなかに、必要に応じて助言、情報提供できることも要求されている可能性はありますが、それほど意識する必要はありません。

「自己評価」=「主訴・問題の把握」

ここが一番わかりづらいですね。

キャリアコンサルティング協議会「自己評価」

キャリ協会は「自己評価」となっています。では、この「自己評価」とはどういうことを求められているのでしょうか。

論述試験や口頭試問、2級キャリコン技能検定などを総合的に勘案する限りでは、自身のロープレで出来たこと、出来なかったことを把握できていること。

CLの問題点を把握、CCからみたCLの問題点の把握ができているかどうか。

そのうえで、今後具体的にどういった展開をしていこうと考えているのかを自身で評価できていることを要求されています。

自己評価とは、上記の点について、客観的に自身のロープレについて自己分析できていること

JCDA「主訴・問題の把握」

JCDAはわかりやすいですね。

主訴とは、この面談で相談者さんが一番訴えたかったこと。相談したかったこと。これをちゃんとCCが理解できているかどうか。

問題の把握というのは、キャリコンサルタントからみてクライエントさんの問題点はどこにあるか理解しているかどうか。

簡単に噛み砕いていうと、今問題を抱えていること、悩みを抱えているのは、何かしらCLさんに問題(改善点)があるという前提に立って、その問題を把握しているかどうかですね。

概ね、クライエントは下記のような問題を抱えていることが多くなります。

  • 自己理解ができていない
  • 仕事理解ができていない
  • 思い込みがある
  • 自己効力感が低い
  • 中長期的な視点が欠けている など

結論

上記のとおり、個人的には少し違いはあれど大きな差はないと思います。

なので、受験生としてやるべきことは何も変わりはありません。

「展開」=「具体的展開」

最後に、展開と具体的展開という評価項目について。

これは文言を素直に読めば、同じでいいかなと。

こちらの記事をご確認くださいね。

ただ、厳密には「展開スタンス」は違いはあるだろうなーと感じています。

キャリ協会の展開は、問題解決にむけて認知の変化、行動変容、意欲の変化を求めているのに対して、JCDAは自己概念の成長に重きを置いています。

このあたりは、団体の考え方の違いです。

よって、文言上は同じように見えても採点ポイントは違っているかもしれません。

神経質にならなくて良い

ただ、標準国家資格キャリコンの場合は、実技試験の合格率は60%以上です。

細かいことにこだわらなくても、基本を徹底すれば必ず合格できます。

多田塾では、キャリ協会、JCDAどちらの合格率も変わりはありません。

このあたりの考え方については下記記事でご確認くださいね。

評価項目は違うけど受検に大きな影響はない

上記でも書きましたが、評価項目の違いについて気にすることはありません。

練習でやるべきことや本番でやらなければいけないことは同じです。

偏った教え方をする講師はスルー

試験対策の勉強会などで、たまにキャリ協会とJCDAはまったく別物なので、注意をうながす先生もいます。

確かに、根本的な考え方が折り合わなかったからこそ、別団体で試験を運営することになったのですが、ことインテーク面談ということに限って言えば、そこに大きな差がでるはずがないのです。

インテーク面談でやるべきことは「リレーション」「CLの訴えを理解する」ことだけです。

これが、インテーク面談でなかったり、中盤、後半まで評価することになれば、もっと違いは出てくるでしょう。

ただ、国家資格キャリアコンサルタント試験の場合は大丈夫なのでご安心くださいね。

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