キャリアコンサルタント試験では、キャリアコンサルタントからみたクライエントの問題点の把握が重要視されます。
CC視点からCLの問題点指摘をするときのど定番な考え方として下記2つは外せません。
自己理解不足がある
仕事理解不足がある
では、両者は明確に分けることができるのでしょうか。
結論から言うと、この場合は「自己理解不足」、この場合は「仕事理解不足」と明確に分けられない場合も多いということです。
このあたりについてもう少し私の考えを書いておきます。
【キャリアコンサルタント試験実技対策質問】自己理解と仕事理解の境目はあるのか?
受講生からこんな質問をもらいました。
自己理解とは
自分自身のあるがままを知る行為のこと。
自分を分析して自分の特徴を描写し、さらに全体として統合。自分のことを明確に言葉として説明できること。環境のなかにおける自己も含まれる。
自分の能力、適性、価値観、興味などの把握。置かれた環境のなかで自分が求められることなども。
仕事(職業)理解とは?
職業、産業、雇用、経済、社会状況を理解すること。
もう少し具体的には、仕事の責任と内容、昇進、雇用条件、見通し、経験、教育の機会、関連職業など理解しているか。
どんな職業があって、どんな能力が必要で、どんな特徴があるのかなど。
ここまでは、受講生の方もテキストや書籍で調べてわかっておられるとのこと。
個々の事例において、この発言や行動からすれば、自己理解不足になるのか。それとも仕事理解不足と答えるべきなのかがわからないということだと思います。
私の考えを書いておきますね。
多田の考えは?どうすればいいのか?
たとえば、こんな事例を考えてみましょう。
この場合、自己理解不足はどの箇所。仕事理解不足とどう切り分ければいいのか。
たとえば、こんな風に切り分けることもできますね。
【自己理解不足】
自身がどんな風に貢献したいのか、同僚の一言から大切にしたいことがわからなくなってしまっており自己理解不足。
【仕事理解不足】
派遣社員として自分の役割がわからなくなっていたり、同僚と人間関係が上手くいっておらず仕事理解不足。
ただし、上記は一例に過ぎません。
こんな解答も。
【自己理解不足】
率先して仕事をすることで同僚からは気に入られていないし、手を抜けって言われているとの思い込みがあり自己理解不足。
【仕事理解不足】
仕事は早い方で暇なのは嫌だし、先回りしてやりすぎる傾向があり、仕事理解不足。
実際、後者は2級論述で合格点の答案です。
切り分けが難しい場合
個人的には、自己理解、仕事理解の境目が難しくて切り分けが難しい場合も多々あるかなと。
その場合は、無理に分けようとはぜすに「自己理解・仕事理解不足」と答えておけばいいですね。
なぜかというと、定義でも見たように自己理解とは、環境のなかにおける自己も含まれるので、どうしても仕事と絡んできてしまいます。
「自己理解不足」と答えるのはナンセンス
ここからは私の勝手な意見。
そもそも相談にきているわけで、何かしら悩みを抱えています。仮に相談者でなかったとしても、悩みがない人なんていませんよね。
となれば、100%自己理解が出来ている人なんていない。
もちろん、悩みがあること=自己理解不足ではありません。悩みがあっても、しっかりと自己理解は出来ている人もいます。
ただ、それはかなりの例外。
何が言いたいのかというと、試験として「自己理解不足」がある。自己理解の支援が必要なんていうのは、当然の当然の大前提でそんなこと解答しなくて良いって思うのです。
以上、キャリアコンサルタント試験受験生からの質問、自己理解と仕事理解の境目は?ということについて説明してきました。参考にしてもらえれば。
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