【キャリアコンサルタント実技面接ロープレ】気づきの与え方のスタンスの違い

キャリコンサルタント試験【実技】対策ヒント集

少し前に【実技面接ロープレ試験】「なぜ」「どうして」という質問がダメな理由という記事を書きました。

こちらの事例で、「なぜ」「どうして」という質問で相談者を追求していくと、無理やり原因を作り出し繋げることでその考えがより強固になるというデメリットをご紹介しました。

これが新しい気づきなのかどうか。

負の連鎖が広がってしまう可能性がないのか。

もう少し違った気づきの与え方はないのかについて考察してみたいと思います。

【キャリアコンサルタント実技面接ロープレ】気づきの与え方のスタンスの違い

対人支援のスタンスにはいろいろな考え方があります。

私はいろいろな支援スタンスのいいとこ取りをしたいという【折衷スタイル】を取っていますが、どちらかというと未来型、問題解決型のほうが好きですね。

なので、気づきを与えるとき、意味を与えるときも、未来の解決にむけてどういった意味付けができるのかを考えています。

  • 下記2つの事例は、1つめが過去の体験、経験から意味を見つけ出していくスタンス
  • 2つめが過去の体験から未来に向けてどんなプラスの意味付けができるのかというスタンス

1つめの事例(過去記事と同じ事例です)

新入社員23歳Aさん、営業事務

CL:この前仕事で大きなミスをしてしまい、今後仕事をやっていく自信がなくなりました。

CC:ミスをしてしまって、今後仕事をやっていけるか自信がなくなったのですね。どんなことがありましたか。

CL:営業担当の先輩から、お客様に契約内容の書類送付とお礼状を出しておくように頼まれました。慎重にやったつもりだったのですが、別の契約内容書類を送付してしまったのです。結果、お客様を怒らしてしまい契約破棄になってしまいました。先輩にもお客様にも大きな迷惑をかけてしまって、自分が情けないです。

CC:お客様に契約内容書類を間違って送ってしまい、契約が破棄になってしまったのですね。先輩、お客様に大きな迷惑をかけて情けない気持ちになられたと。

CL:はい、営業事務という仕事は正確に慎重にできなければいけないと思うのです。それなのに、こんなミスをしてしまって今後営業事務の仕事はやっていけないと思います。

CC:「営業事務は正確に慎重であるべきだ。ミスは許されない」と思われるのですね。Aさんがそう思われるのはどうしてでしょうか。

CL:うーん。どうしてかなー。営業の方のサポート、お客様にも喜んでもらえるように、ちゃんとサポートしたいという気持ちが強いので、ミスは許されない。そんな基本的なことも出来ないようでは「自分はダメ」かなと思います。営業事務は向いていないのかも。

CC:なぜ、そう思われるのでしょうか。

CL:うーん。しいて言えば、昔から親から買い物を頼まれたときも、メモに書いてあるものと違うものを買ってきてしまったり、いつも怒られてました。妹はそういうミスはしないのに私はいつもミスして母親からも信頼されなくなりました。なので、何をやってもちゃんと出来ないって思ってしまって・・・

CC:そうだったのですね。それは辛いですね・・・。今回の書類発送ミスという経験と、今思い出された買い物の経験はAさんにとってどんな繋がりがありますか?

CL:繋がりですか・・・うーん。難しいですね・・・。確かに買い物のミスくらいなら笑って誤魔化すことは出来たけど・・・。今は仕事なのでミスなく完璧に出来ないと通用しないと思いこんでいるかもしれません。そう思い込むことによって実は逃げるための理由を作っているのかもしれません。

2つめの事例

新入社員23歳Aさん、営業事務

(上記と同じ~省略~)

CL:はい、営業事務という仕事は正確に慎重にできなければいけないと思うのです。それなのに、こんなミスをしてしまって今後営業事務の仕事はやっていけないと思います。

CC:「営業事務は正確に慎重であるべきだ。ミスは許されない」と思われるのですね。情けない気持ちにもなってこの仕事を続けていけないのではないかと・・・。それでも、できれば頑張って続けていきたい気持ちは持てそうでしょうか。

CL:うーん。営業の方のサポート、お客様にも喜んでもらえるようには頑張りたいのですが。ちゃんとサポートができないとなると迷惑をかけてしまうし。続けていきたいけど不安です。

CC:迷惑をかけてしまう不安はあるけど、できれば頑張って続けたいというお気持ちですね。

CL:はい、続けたい気持ちはあるけど、やっぱり不安ですね。

CC:今回ミスをしてしまった経験から、何か少しでも学べたことはありましたか。Aさんが同じミスをしないようにするために、どのようなことが出来そうでしょうか。またそれを実践するうえで不安に思うことはどんなことでしょうか。

CL:うーん。学べたことですか。慣れでやってしまわずに2重チェックをすべきだなと。あとお客様からの信用は一瞬で崩れることや、怒られたことで逆にやっぱり私はサポート業務で喜んでもらいたい気持ちが強いんだなって。怒っている顔は見たくないって気づいたような。

事例の違い

いかがですか。

両事例とも紙面との兼ね合いで、省略しているのでそんなに上手くいかないよって思うかもしれませんがそこはご了承くださいね

2つめの事例は、過去の失敗体験を思い出させることなく、失敗したことに対して新しい意味付けをしようと関わっています。

いわゆる、リフレーミングを試みています。

リフレーミング(reframing)とは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指す。元々は家族療法の用語。「今までの考えとは違った角度からアプローチしたり、視点を変えたり、焦点をずらしたり、解釈を変えたりと、誰もが潜在的に持っている能力を使って、意図的に自分や相手の生き方を健全なものにしポジティブなものにしていくこと」 ウィキペディア(Wikipedia)

「ミスはあってはならないもの」という強い固定観念があるので、起こってしまった出来事に対して解決に向けたプラス視点での新しい意味付けをすることは簡単なことではないかと思います。

なんでもかんでも、無理に過去の出来事にフォーカスして関わらなければいけないと考えている人は、もう少し違うスタンスもアタマに入れておきましょう。

自分の支援スタンスを理解しておくこと

対人支援をビジネスでやっていく場合(とくに自分でお客様を獲得していく場合)には、自身の支援スタンスについては理解しておく必要があります。

  • どういうことを大切にしているか。
  • どういう支援が得意か。

あなたがしっかりと伝えておくことで、セッションの不一致を減らせます。

もし、あなたが過去の出来事、気持ちに寄り添って共感、受容スタイルで行きたい場合は、介入スピードも遅く弱めに関わることになります。

相談者が問題解決を求めているのに、なかなか方策提案、問題解決に進まない場合不満に繋がってしまう怖れがあります。

ぜひ、自分の中心とする支援スタイルを大事にしながら、弾力的対応できるように頑張っていきましょう。

 

以上、【キャリアコンサルタント実技面接ロープレ】気づきの与え方のスタンスの違いについて考察してみました。ぜひ、参考にしてくださいね!

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