国家資格キャリコンサルタント実技ロールプレイング(面接)試験では、評価されるポイントがあらかじめ公表されています。
キャリアコンサルティング協議会の評価項目は【態度/展開/自己評価】。
JCDAの評価項目は【主訴・問題把握/具体的展開/傾聴】。
両団体でなぜ評価項目が違うのか。どこが違っているのか。などについてはこちらをご確認ください。
今日は、「展開」「具体的展開」について掘り下げてみますね。
展開とは
先日、「展開」について簡単につぶやいてみました。
相談者の心の訴えを理解できていることが大切
まず、大事なこととして、相談者の訴えをしっかりと理解できていることが大前提です。
相談者の訴えとは、今日一番相談したいこと。今悩んでいること、解決したいことですね。
キャリ協会的に言えば「CLの問題点」の把握。
JCDA的に言えば「主訴」の把握。
適切な目標を共有
そのうえで、今日の面談の目標を決めます。面談が終わった段階で、どうなっていたいかをクライエントとキャリコンサルタントの2人で決めておきます。
この面談での最終目標が決まっていれば、そこに向かって話を進めることができますが、目標共有が出来ていないと漠然と話が進んでしまいかねません。場合によっては、クライエントの求めていない方向性にキャリアコンサルタントが進めてしまう恐れもあります。
よって、ある程度悩みの概要を聞き終わった段階で目標共有をしておきましょう。
クライエントに気づきを与える。変化を起こす
お互いに目標を共有したうえで、キャリコンサルタントはクライエントに何かしら今抱えている問題、悩みに対して気づきを与えたり、変化を起こさなければいけません。でないと、今の問題、悩みを解決することはできません。
では、ここでいう「変化」とはどのようなことを言うのでしょうか。
CLの変化として期待されること。
- 問題に対する認知の変化
- 自分または重要な他者に対する認知の変化
- 自己の表面的な表現から内面表現への変化
- 具体的行動や意欲の変化などが見られること
なかなか難しいですよね。
相談に来る前と比べて、物事の捉え方が変わった、新しい考え方が持てるようになった、具体的に行動を起こせそう、前向きな気持になったなど。
こういうことをロールプレイの中で出来ることを目指すことになります。
国家資格キャリコンサルタント試験で最低限求められることは
国家資格キャリコン試験では、60分インテーク面談のうちの15分を評価されることになります。
ということは、本来ならあと45分あるわけです。
残り45分の中で、上記説明した「気づき」「変化」を与えられるようにすれば良いことになります。
このあたり技能検定キャリコン2級であれば、20分面談ですべてを求められますので、しっかり時間管理しながらまとめ切る必要があります。
ということで、焦る必要はありません。
堂々めぐりにならないように!
ただ、評価項目に「展開」がある以上、何かしら進めていく必要があります。
単純に寄り添って聴いているだけでは合格できませんので。
一番やってはいけないことが、10分くらいまでにお聴きしてきた内容を何度もきくこと。
「それ、さっきも聴いたのにな・・・」
あきらかに堂々巡りになってしまっている場合、評価が悪くなります。
堂々巡りを打開する
堂々巡りにならないためのヒントを何個か紹介しておきますね。
聞き方を変えてみる
同じようなことを聞いたとしても、ちょっと言葉を変えるだけで、違う答えが返ってきます。
どうでしょうか。
同じ仕事のことを聴いているのですが、同じことを聞いた感じにならないですよ
未来のことを聴いてみる
10分くらいまでにお聴きしてきたことは、現在の状況や過去のことが多かったはず。
なので、10分以降に「もし、・・・・」「仮に、・・・」という言葉を使って未来をイメージしてもらうような関わりをしてみましょう。
スモールステップを踏めるような支援をする
小さな小さな1歩をどう踏み出してもらえるのか。
キャリアコンサルタントが答えをいう必要はありません。
クライエントができそうなことを丁寧に聞き出してあげましょう。
もう少し突っ込んだ記事はこちら。▼
以上、ここまで見てきましたが、国家資格キャリコンサルタント試験で求められている「展開」のレベルは高くありません。
基本は焦らずに10分迄にやってきたことを、そのまま継続して対応すれば十分合格できます。
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