キャリアコンサルタント試験の勉強をされている人なら当然知っておかなければいけないアプローチ法の1つ「システマティックアプローチ」。
キャリアコンサルティング協議会側で受験する人には馴染み深いですよね。
一方、JCDA受験者の場合は意識したほうがいいのかどうか。
結論としては、試験で実践するしないにかかわらず、知っておいて損はありません。
とにかく、面接ロープレを進めていく時にこういったフレームワークがあるとスムーズになるので。
「システマティックアプローチ」については、論述攻略のコツで少し触れましたが、実際の面接ロープレでの活用法について解説していきますね。
システマティックアプローチの基本と目標設定【キャリコン面接対策】
国家資格キャリアコンサルタント試験では60分のうちの15分を評価されますので、システマティックアプローチの途中まで進めることができればOKですね。
まずは、基本的な流れの確認から。
信頼関係構築につとめる(リレーション、ラポール形成)
↓
問題の把握
- クライエントの問題点把握(主訴、今日の相談で最も訴えたいこと)
- キャリアコンサルタントからみたクライエントの問題点把握
↓
目標設定、目標共有
↓
具体的方策
↓
面談振り返り
信頼関係構築につとめる(リレーション、ラポール形成)
まずは、どんなアプローチ法でも同じですね。
クライエントさんが安心して話をしてもらえる雰囲気づくりから。
関係構築のうえで大切なことは、非言語、言語的追跡、オープンクエッションあたりになりますので、詳細については下記記事でご確認くださいね。
★非言語についてはこちら
★出だしの注意点はこちら
★伝え返し、言い換えの技術はこちら
★オープンクエッションの技術はこちら
もちろん関係構築については、面談スタートから終了時点までを通して必要になることは言うまでもありません。
問題の把握
クライエントの問題点把握(主訴、今日の相談で最も訴えたいこと)
クライエントさんが最も訴えたいことはなにか。
これは概ね出だしの5分間で把握できるはずです。もちろん、こころの深いところに悩みが隠れている可能性はあります。
ただ、ほとんどのケースでは最初の5分くらいで、相談したい大枠については話をしてくれるはずですね。
あんまり深く考えすぎないようにしましょう!
キャリアコンサルタントからみたクライエントの問題点把握
こっちは、キャリアコンサルタントからみた相談者さんの問題点の把握ですね。
ロープレを進めながら、相談者さんのどこに問題があるのかを理解していく感じです。
論述だと落ち着いてできるけど、「CCからみたCLの問題点」ばかり考えていると、ついつい批判的になってしまいます。
これは要注意です。
国家資格キャリコン試験の場合は、正直そこまで焦る必要はありません。もっと言うと、あきらかに問題があるなということは1つくらいはすぐに見つかるはず。
下記のような、誰しもが陥りそうな問題を考えておけばOKです!
- コミュニケーションが取れていない
- 話し合いができていない
- 周りの意見に流され過ぎている
- 思い込みがある
- 自信をなくしてしまっている
- 選択決断するときの優劣がつけられていない
- 気持ちの整理ができていない
目標設定、目標共有について補足
話を聞き進めると、おおむね「事象、状況把握」「問題点の把握」「感情把握」が出来てきます。
このあと、どこに焦点をあてて話を進めていくのか。
ひとまず、このあとの面談の方向性の確認をする感じですね。
本来のシステマティックアプローチであれば、きっちりと目標設定をしなければいけませんが、国家試験キャリコンの場合は、そこまで明確にしなくてもいいかなと。
たとえばこんな感じです。
【事例】
相談内容:仕事と義母の介護のことで悩んでいる。せっかく目標にしてきた雑誌編集主任になれたところで・・・。義母はこれから車椅子の生活を余儀なくされるし、すこし認知症も入ってきています。年齢的にもこれから回復する可能性はほぼないと医者からも言われています。主人は出張も多く、私がある程度面倒を見てあげないといけないし。子供が小さい時に、義母には本当に助けてもらって、義母がいなければここまで仕事を続けることが出来なかったので感謝しています。仕事も大事だし、義母の介護もしてあげたいと思うと、どうすればいいのかわからないのです。
- 今の義母の状況、サポート状況
- ご主人との話
- これまでどんな想いで仕事を頑張ってきたのか
- 外部サポート含め、周りへの相談
このあたりを中心に、気持ちに寄り添いながら話を聴いてきたとします。
ここで、目標設定とは? どんな目標がいいのでしょうか?
コツは、単純シンプルに考えることですね。
【目標設定の一例】
では、仕事をできる限り続けられる可能性はないのかどうか。義母さんの介護と仕事を両立できるように、一緒に考えていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
ボンヤリと目標設定していますが、クライエントさんは出来れば仕事を続けていきたいと希望されているので、キャリアコンサルタントとしては、その希望を叶えてあげられるような支援を考えています。
実際には上記の目標設定は、かなり広い視点なので、話を展開していく中で細かく目標設定(スモールステップ)をしていくことになります。
以上、システマティックアプローチの基本と目標設定【キャリコン面接対策】について解説してきました。ぜひ、参考にしてくださいね。
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